リスク
Risk
何らかの悪い事象が起こる確率(発生確率)をリスク(risk)と呼び、その事象を引き起こす要因となるものをハザード(hazard)、事象を引き起こした直接的な要因をペリル(peril)、リスクが顕現して起こった被害をダメージ(damage)、と呼ぶ。実際のところ、これを総称してリスクと呼ぶ事が多い。
リスクの大小は、発生確率×被害の大きさ(一般に金銭換算される)で比較される。
リスクはゼロにはできない。どう頑張ってもある程度の量は発生してしまうものである。
自然災害は止められない。(そのエネルギーが大きすぎるため、人為的に止めることができない。)
極めて稀ではあるが隕石が当たって死ぬ可能性もある。
人間の体はそこまで完璧ではなく、時々不具合が出てきてしまう。
人が関係するトラブルでも、認知の限界や悪意の存在などで避けられない。
未来を予測することは極めて困難である。数学的に厳密な構造を持っていてもカオスからは逃れられない。
極めて小さな影響でも後に巨大な変化として現れることがある。→バタフライエフェクト
「何もしなければリスクはない」というわけでもない。自発的に何かをしなくても、外来的な様々な事象が発生していて、そこから逃げられるわけではない。
外に出ると事故に遭遇するからと家にこもっても、今度は家の中で事故が起こる。
保険では、リスクに見合った保険料を集めることで、リスクが顕現した時に、その被害を補填する金銭などが得られるという仕組みになっている。
例えば、100万円の被害が出る確率が1%の場合、100人から1万円づつ集めることで、その1%が起きるであろう1人に100万円を払うことができるようになる。
ベネフィットは、それを行った時に得られる良い効果(効用)とされる。
リスクとベネフィットを比較することで、やるかやらないかを合理的に決定することができる。
ワクチンなどでは、リスクとベネフィットが比較され、ベネフィットが大きいならば、そのワクチンは許容されるという考え方をする。
リスクを減らすことはできる。
予防的な方法でリスクの顕現を減らす。
被害の拡大を減らす。
リスクを減らす対処をいくつも重ねていくという方法が採られる。→スイスチーズモデル