ことのは『盆栽』
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筆者の気まぐれと好奇心から ことのはシリーズの最初の開発、実装となったが、
『侘寂』の初期レイアウトを気に入った筆者が初の PCB 設計に取り掛かろうと四苦八苦していた中、
仕事中にふと頭の中で閃いたのがこの『盆栽』である。
見て分かるように『侘寂』よりもダイナミックでインパクトもあるので結果として「初の PCB 設計だし、失敗覚悟でやるなら面白い形で失敗した方がスッキリするかもしれない」と、こちらを先に設計してしまった。
名前の由来
「押しにくい薬指の下段を廃する」というコンセプトを基に、各指の範囲を伸ばしたり縮めたり、ずらしたりして形を整えていく内に、まるで樹の枝を剪定しているかの様な感覚になり、大きく横に広がるダイナミックな形や、また様々な角度から眺めても興味深い形をしていることから『盆栽』の様な趣があると感じた為、命名することとなった。
特徴
開発コンセプトとした、押しにくいキーを別の指の押しやすい位置に移動させるという点は30%キーボードが持つレイアウトの自由さに気づくきっかけになった。また、ここでの気付きを元に後の ことのは『居合』 が考案された。 デザイン
初期のレイアウトデザインは下記の通り。色は筆者が想定した使用する指によって変えている。
https://gyazo.com/9b3ac828c78ce876723be4c85d6bda52
名前の由来の項にも記述したが、薬指の下段を改善したかった為、最初に考えたのが小指の上段を薬指で押し、その代わりに小指の範囲を外側の6列側に伸ばすことであった。上記も面白いデザインであったが、手元でキーキャップを並べるなどして運指を検討した結果、無理に薬指を上段に使用せずとも小指に任せてしまう方が良いと感じた為、下記の現在の形となった。
(この時にも『盆栽』の名の通り、細かいキーの調整を入れ、より押しやすい配置はどうか探るようにした)
https://gyazo.com/45844aef4c1588eea97799720ca0b30c
そして、この薬指の担当が 2キーのみ という従来のキーボードの基本の4指では考えられなかった斬新さが自分の中で非常に面白いものになったと思っている。
また、同時に全体の形も Row-Staggered の様なレイアウトや、格子配列を彷彿とさせる上下直線のレイアウト、各指の長さを考慮して高さを変える Column-Staggered 要素、そして何だか分からないような小指周りのレイアウトなど各指毎に自由に配置した結果、色々な角度から見ても少し不思議な印象を受けるキーボードとなった。