スクロールバー
全体を表示できない長い画面の表示位置を変更するための部品
1975年のBravo(Charles SimonyiらによるAlto向けに開発されたWYSIWYGエディタ)には画面の一部にスクロールを制御のための専用のマウス操作領域は用意されていたが、スクロールボックスなどの要素を欠いていた 現在的な意味でのスクロールバーが初めて整備されたのは、Smalltalk-76のウインドウシステムにおいて。『Designing Interactions』 p.69 によれば、Alan Kayの「図書館で棚から本を見つけるようにたやすくデータをブラウズする方法を考案せよ」という再三の要請に応え(うんざりした)Larry Teslerがウインドウを分割する「ペイン」とそれを利用した、今でいうところの「カラムIF」を発案(その後、Dan Inagallsの若干の手直しを経て、Smalltalkのコード閲覧および編集のためのIDEツールである「システムブラウザ(クラスブラウザ)」となる)。その際、ペインへのフォーカスの指標を兼ね、付随的に考案されたのがスクロールバーである。間を置かず、システム内のほぼ全てのウインドウが1つ以上のペイン(スクロールバーを伴う)を持つものとして再実装されることで、Smalltalkシステム内で普遍的にスクロールバーが利用できるようになった。 Smalltalk-76のスクロールバーは、スクロールボックスはあったがスクロールアローは無い。スクロールは、スクロールボックスのドラッグ、もしくは余白のクリックで行う。余白はクリック時の動作が領域の中央を境にその左右で分けられており(左がダウンスクロール、右がアップスクロール)、これが実質、後のStarやLisa、Macintoshのスクロールアローの役割を代替するが、スクロールアローには無い、クリックする位置の上辺からの距離でスクロールスピードが変わる機能も備わっていた。なお、スクロールボックスの長さが表示割合に応じて伸縮するようになったのは後のSmalltalk-80(1983年ごろ)から。また、Smalltalkのスクロールバーは縦方向しか用意されておらず、これを横方向にも拡張したのは別プロジェクトのStarから。 拡張
バックグラウンドに絵を描くやつ