坂村美奈: Lokemon:その場に潜むモンスターを介した参加型センシング手法
本研究は,参加型センシングにおいて,プライバシ保護や参加者の動機付け,発信内容の品質の担保といった課題を同時に解決することを目指した取り組みである.具体的には,ユーザーに各Point of Interest(PoI)に仮想的に設置されたモンスターへなりきって情報発信をしてもらうシステムLokemon(Location monster)を作成し,新たな情報発信モデルを提案している.当該モデルは,極めて新規性,有用性の高いモデルであり,ユビキタスコンピューティング分野に有益な知見をもたらした.また,本研究を通した人々の行動変容に対する知見は,「個」と「集団」のコミュニケーションモデルを明らかにし,情報科学に限らず社会学や都市計画の分野でも意義が認められる.さらに,行政業務での活用といった社会的な貢献も期待できる.よって,本研究を山下記念研究賞として推薦する.