ポスト・パノプティコン
また、隅々まで監視の目は行き届いているが、その事実は表面には現れないので人々は監視されていることに気が付かず、そのことが監視社会への抵抗感を和らげている。その一例として高口氏が挙げたのが、中国版Twitterと呼ばれるウェイボー(Weibo)の「信用スコア」だ。
続いて高口氏は自身の芝麻(ジーマ)信用のスコアを例に取り説明した。現在620となっているスコアを上げるには、自宅の不動産契約書のコピーや大学卒業証明書など自身に関する情報をアップすればいい。ここでもスコアが上がれば、生活のさまざまな場面で特典が付与される。芝麻信用はアリババグループのシステムだが、企業が開始したこの新しい監視システムを、中国政府が情報収集の手段として統治に組み込もうとしているという
武邑氏は「EUは中国のデータエコシステムを評価しはじめており、EUと中国は新しい関係性を創り出していく予感がある」と続けた。さらにグエン氏も「弁護士、学者、政治家、テクノロジー関係者など多様な人が集まって話さなくてならない」と語り、人間の共存の仕方、システム、政治や社会のあり方にまで関わってくる問題であると示し、パネルディスカッションは終了した。→え?そうなの?調べないと