九マイルは遠すぎる
ハリイ・ケメルマン
=作/
永井淳
=訳
原題:The Nine Mile Work
所収:『九マイルは遠すぎる』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
少ない情報から推理を展開してゆく〝九マイルもの〟と云うジャンルを生み出した偉大な一篇。
純粋論理の最長不倒距離――とまで云うのは過言か。
もちろん、ただの歴史的価値だけでなく、洒落た文章と会話、無駄のない構成、知的で楽しい発端から意外な真相、そしてとぼけた結末まで、短篇としての完成度は高い。