リガの森では、けものはひときわ荒々しい
原題:In the Forests of Riga the Beasts Are Very Wild Indeed
所収:『エドガー賞全集〔下〕』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 所収:『短編ミステリの二百年〈4〉』(創元推理文庫)
作者の経歴もなぜこれがエドガー賞を獲ったのかも一切謎。それに輪を掛けて内容も謎が多い。譫妄状態になった女性の不安定なモノローグ――と簡単に割り切って良いものか。この異様に迫力のある語りを前にしては、安易な内容の要約は意味をなさないだろう。
無粋を承知で付け加えておくと、一読では見逃しかねない点として、薬の分量には気を配っておきたい。
『ニアミステリのすすめ――新世紀の多角的読書ナビゲーション』所収の並木士郎「パズルかゲームか」は本作について論じた貴重にして面白い論考である。ポイントはやはり薬とその数。
追記 『短編ミステリの二百年』に所収され、作者の経歴が明らかになった。