大正グロテスキズム
大正十三年(1924年)九月、帝都東京。
大震の傷跡も癒えきらぬ街で、それでも人々はたくましく暮らしていた。精神科医である探索者は、朝刊に掲載された尋ね人広告に、見覚えのある名前を発見する。
折しもその頃、帝都では『胸から腹までを裂かれ、内臓がそっくり持ち去られる』という悍ましい連続殺人事件が発生していたのだが――。
▷概要...
文町様作『大正グロテスキズム』
本シナリオは大正時代の日本を舞台としたシティシナリオです。
PC1とPC2の関係性は何でも構わないので、セッション開始前に決めておいてください。
どのような経緯で知り合い、今日のような付き合いになったかは全てプレイヤーにお任せします。
▷推奨技能...
特に無し
▷所要時間...
3~4時間
▷所要人数...
2人
▷HO...
PC1:精神科医
貴方は大正十三年を生きる精神科医だ。日々自分の患者と向き合いながら、日本の精神医療の発展を願っている。
一年ほど前、偏執病の気があるといって母親に連れてこられた【瀬田清治】という少年を診察したことがあるが、彼が自分に対して心情を吐露しないため、仕方なく簡単な催眠薬を処方したきりであった。
小説家の友人(PC2)がおり、とある事情から、人探しの協力を依頼することになる。
PC2:小説家
貴方は大正十三年の帝都に生きる文士だ。日がな文章を書いては出版社へ持ち込むなどして糊口をしのいでいる。退廃的な小説や風俗壊乱の雑誌などにも明るく、そのようなものを扱う知人もいる。
仲の良い小説家仲間に【宇賀宮閤】という男がおり、彼の紹介で様々なカフェーやサロンへ顔を出している。菊池寛や久米正雄など今をときめく文士たちとも、宇賀宮の紹介のもと銀座の【カフェーバラック】で知り合った。神保町の胡散臭い古書店にも顔が利くため、探索の助けとなるだろう。
近ごろ、知人の文士が次々と連続殺人事件の被害者になっており、明日は我が身かと危ぶんでいる。