toの感覚
【基本イメージ】
到達点を指し示す
ある行為がどこに到達しているのか、それを指し示す(point to)
【派生系】
繋がり:到達した感触がつながりを生む。
【不定詞について】
「情報の欠如」がポイント。先行文脈における情報の欠如を別の状況を指し示すことによって補う。
先行文脈に何が欠如しているかによって、指し示される状況との意味関係には様々なバリエーションが生じるのはいうまでもない。
副詞用法
I went there to buy a mobile.
携帯を買うという状況が指し示されている。
「そこに行きました。」→どうして?何の目的で?という食い足りない感触→補完のためのto buy a mobile.
Your son has grown to be a nice young man.
「育ってどうなったのか?何になったのか?」という情報の欠如→それを補うTo不定詞。
She was so naive to have trusted them.
「なぜナイーブだといっているのか?」→To不定詞以下が理由づけ。
I was shocked to hear the news.
「私は驚いた」だけでは文章は完結しない。ある感情が生じるには当然原因がある。
それをフィードするためのTo不定詞。
英語の感情動詞はほぼ全て受動態で表現されるが、この「感情は外側の原因から引き起こされる」という強い傾向から、「感情」と「原因」には非常に密接な関係がある。
形容詞用法
Armstrong was the first man to go to the moon.
the first manがどういう人間なのかをTo不定詞が状況を指し示しているに過ぎない。
She doesn't know what to say.
She doesn't know whatだけでは、どういったwhatなのかを知りたいところ。それをTo不定詞が展開して説明してくれている。
名詞用法
「〜ということは」という一般論。ingのように身近で起こっている感触は一切ない。
実際に、名詞用法to不定詞はルールを述べるのにしばしば用いられる。
ルールがある以上、ある特定の事態が想起されては困る。一般論でなくてはならないからだ。
【Toは未来志向?】
The kids want to go to the zoo.
この文は「未来のできごと」と言えなくはない。だが、、、
この文が未来志向と見えるのは、wantのニュアンスによる。「〜したい」という意味内容からtoによって指し示された内容が未来であることが了解される。
I was shocked to hear the news.
この文は、明かに未来のできごととは呼べない。
到達点を指し示すが、その汎用性ゆえに広く用いられているに過ぎず、情報を補う、補足するという運動に便利に用いられているに過ぎない。