ingの感覚
【基本イメージ】
生き生き感
躍動感
行為(を伴うできごと)の真っ只中にいる
【派生系】
短期間
未完結
【see, hearに進行形が使われない理由】
躍動感に欠けるから。
「見える」や「聞こえる」には「向こうからやってくる」という感覚があり、躍動的な行為がなされていると感じられにくいから。
動詞が表しているできごと自体に躍動感があるかどうかが重要である。
進行形の躍動感は、通例状態動詞として何ら行為を表さないbeにすら、生き生きとした動きの解釈を「強要」する。そのイメージの強さを推し量ることができるだろう。
【分詞構文と接続詞の文章のニュアンスの違い】
Glancing over my shoulder, I saw this big tiger coming after me.
When I glanced over my shoulder, I saw this big tiger coming after me.
分詞構文の意味は「並置」だが、顕著に感じられる緊迫感がある。
しかし、接続詞whenを伴った文章では緊迫感が根こそぎ奪われ、単なる平たい情景描写になっていることがわかる。
この「状況の躍動感、リアルな感触」がingのニュアンスである。
こういうニュアンスが求められる「場面」をも規定している。
「物語モード」:ある状況でまるで物語を紡ぐように生き生きと伝えたい場面で使われる型
書き言葉はもちろん、話し言葉でも使うことができる。
聞き手は即座に、話し手が「物語りをしている」ことを感じるだろう。
もう一つ例をとると、、、
Realizing that he had made a mistake, he turned back.
Since he realized that he had made a mistake, he turned back.
文が躍動している感覚:「あ、しまった」と踵を返す情景を感じることができるだろう。それがingの効果である。