Summer498の福音書
アイデアが溜まってきたので書き出そう。
『知らないわ』
「神様って無能なだけじゃなくて聡明でもないんじゃないですか」
『聡明であることに知識は必要ないの』
『そう言えば、昔、聡明な人がいてね。その人は私とお話ししなかったから、代わりに別の人に伝えておいたの』
『この辺りでは、あの人以上に聡明な人はいませんって』
「ソクラテスのことですか?」
『どうでもいいわ』
「ひどいな」
『この話は、その人がソクラテスでも、そうじゃなくても成り立つのよ』
『だからどうでもいいの』
「たしかに」
『それに、どうでもいいところで人々の知識と結びつけると、後から知識が書き換えられた時に、神が間違いを言っているって怒る人がいるの』
「私ですね」
『歴史の上の人なんて、簡単に書き換えられてしまうわ』
『だから、そういう変わりうることには大切なことは結びつけない方がいいの』
「さっきの話の、聡明な人はどんな人だったんですか」
『知識はないけど考える人だったわ』
『そして、知識がないのになぜ自分のことを聡明だと言われたのかって心配していたわね』
『それで、色んな賢い人たちにたくさん質問して、自分よりも聡明な人がいると私に伝えようとしてきたの』
『それで、色んな賢い人たちにたくさん質問して、自分よりも聡明な人がいると私に伝えようとしてきたの』
「神様に反例を叩きつけようとしたんですか」
「傲慢ですね」
『あなたもね』
「そうですね。でもそれでいいと思ってます」
『そう。それでいいのよ」
「それで、反例は連れてこられたんですか」
『それがね、やっぱり居なかったのよ』
「凄いじゃないですか」
『あら、人間を評価するみたいに神を評価するのね」
「凄いことは凄いんです。神様だから当たり前にできるとか、そういうんじゃないと思います」
『そうね。凄いことは凄いのよ』