潜在空間
赤ん坊にとっての、「純粋な内的世界(空想)」と、誰もが共有する客観的な外的世界(現実)」との中間の領域のこと。
彼が注目したのは、移行対象 Transitional Object
移行対象とは、赤ん坊がいつも手放さないモノ。
たとえば、いつも手放さない毛布とかぬいぐるみとか。 この「モノ」は、赤ん坊にとって、自分の一部(主観, 内的)のようでありながら、同時に、それは明らかに外部のモノ(客観, 外的)でもある。
言い換えるならば、「私」と「私でないもの」の境界線上に存在するということ。
ウィニコットによれば、赤ん坊は、この移行対象というモノを、触ったり、おしゃぶりしたり、抱きしめたりすることを通して、「母親がいない」という不安な現実を乗り越え、徐々に自立していくとした。
この移行対象が、我々が潜在空間を最初に作り出す、いわば楔のような役割を果たすのだという。