オークション
もしくは、競り。
ある一つの売り物に対して、複数の買い手が競争入札を行い、最も良い条件を提示した買い手に販売する、価格決定のメカニズムのことを示す語です。
オークションいろいろ
イングリッシュ・オークション English Auction
最も一般的な形式。
買い手が徐々に値段を吊り上げていき、最後に最も高い価格をつけた者が落札します。
ダッチ・オークション Dutch Auction
売り手が非常に高い価格から始め、徐々に値段を下げていきます。
最初に「買う」と表明した者が、その時点の価格で落札します。
ファーストプライス・オークション First-price sealed-bid auction
各買い手は、一度だけ、他者に知られることなく入札額を提示します。
最も高い額を提示した者が、その額で落札します。
セカンドプライス・オークション Vickrey auction
ファーストプライスと同様、各買い手は一度だけ秘密裏に入札します。
最も高い額を提示した者が落札しますが、支払うのは二番目に高かった額となります。
理論上、各人が「自分が本当に価値があると思う額」を正直に入札するインセンティブが働くことで知られます。
多くのボードゲーム、特に近代のユーロゲームにおいて、資源や権利の配分を決めるための中心的なメカニクスとして「オークション」は採用されています。 代表的なゲーム
絵画の価値を競り合います。
発電所購入の権利を競ります。
独特の競りシステムをもちます。
など。
ボードゲームにおけるオークションは、特定の文脈の中での価値が社会的に構成されるシステムがシンプルに表現されます。
プレイヤーは、不完全な情報の中で、他プレイヤーの状況や望むことを推測し、自らの勝ち筋を探るという、合理性と感情がせめぎ合うような心理的なドラマを経験することになります。
時には競り勝ったプレイヤーが、実はその価値を最も高く評価しすぎていて損をする「勝者の呪い Winner's Curse」と呼ばれる現象が発生することもあります。