板金設計講座
https://scrapbox.io/files/610ca87330443800221bb56c.jpg
ありがとう、Roland DGと甚さん!
https://i.creativecommons.org/l/by-nc/4.0/88x31.png https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
※引用コンテンツはもちろん引用先のライセンスルールに従ってください(どの引用先もAll rights reservedだと思います)。
板金部品
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https://ja.nc-net.or.jp/up/library/69669/15728/3d882b813f14619a9b2a3a2db481f5acbed634f3.jpg
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板金部品じゃない
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板金部品のいいところ
安い
切断+曲げなら専用金型不要
早く作れる
元の板材が安い
板金で工夫して3次元切削機をつくり、低価格化を実現したのがローランド ディー.ジー.やオリジナルマインド https://www.originalmind.co.jp/company/img/outline/history/self-made2.jpg
板金設計は折り紙
展開図
https://scrapbox.io/files/610b9cd06603f9001c1a9b64.png
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折ってみましょう!
板金設計は折り紙…だけではない要素もある
段ボールで試す
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(右)逃げをつくらないとクラックが入る
(左)逃げがあるとクラックが入らない
板金だとクラックや変形が起きる
https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/1210/12/yk_jinbanban5_02.jpg
絵辞書
https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/1206/08/l_yk_jinbanban1_05.jpg
「バンバン板金設計」は板金設計最強の教材です
t: thickness 板厚。2tは2 × 板厚 という意味
※ちなみに「t2」はt = 2.0 mmという全然ちがう意味
R: 曲げR。曲げ内R。曲げ半径。ベンド半径。通常R = tなのでできるだけそれに従ったほうがいいが、どうしてもというときは加工屋さんに相談することもできる
この設計どう直す?
https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/1206/08/yk_jinbanban1_03.gif
答え2:レリーフ(逃げ)を入れる(先述の段ボールに入れたような逃げのこと)
レリーフ(Relief)
レリーフと言ったりリリーフと言ったり。
レリーフの奥行きは2t+Rないと変形するのはわかった。でも幅は何mmでもいいのでは?
これは、部品を加工するときの話
絵辞書だと「2t以上」
でも外観上の理由でもうちょっと攻めたいときがあるかも…
タレパンだと2 mmは見ておいた方がよさそう
https://www.youtube.com/watch?v=cqb0o3Pu054
レーザー加工ならもうちょっと攻められる…?
でも曲げのときに板金と金型(ヤゲン・ダイ)を合わせる正確さがさらに求められてしまう
https://www.youtube.com/watch?v=HsWAKxdWX-w
結論:こだわりがないときは絵辞書に従う。あるときは加工屋さんに相談!
(その分コストが上がることは覚悟する)
CADでモデリングする
SolidWorks 方法1
▽ふつうに設計する(絵辞書のルールどおりに)
板金なので部品のすべての部分が同じ厚みになる
そこを間違えると、あとでモデルを板金化しようとするとエラーになる
https://gyazo.com/45f8db69b3d93e74d3b30beacdf0e0a9
▽挿入>板金>板金
https://gyazo.com/248d7c1115777baf1b5f7e51492b75b5
▽ベンドパラメータでどこか(どこでもよい)一面選んで✓→板金部品になる
https://gyazo.com/87d6ea92ab298726da756586928dc408
曲げRは筆者はtと同じ値にしています
0にするのが好みの人もいます
※これはモデリングの話であって加工の話ではないです
モデリングでR を1 mmにしたからといってそうなるとは限りません
「絶対にR < 1 mmにしてほしい」というようなときは、そのことを図面などで加工屋さんに伝えなければいけません
実際いままで見てきた板金の曲げRはtより小さくなっているように見えます
ただし筆者が扱ってきた板金はt1~2ぐらいなので、それより厚いものはtぐらいになってしまうのかもしれないです
▽フォールドの上で右クリック→抑制
https://gyazo.com/a8849fdbe45a0e8619cba14dff73cd26
▽展開される→重なっていたりしないか(つくれない形状になっていないか)確認
https://gyazo.com/ca9a8915d7fb65b2cdb4487df611bfac
SolidWorks 方法2
板金フィーチャーを使いながら設計していく方法もある(すいません、詳しくないです)
https://www.youtube.com/watch?v=SY9LtE9wwwA
Fusion 360
SolidWorks方法2(板金フィーチャーを使った方法)に似ていそうです(すいません、詳しくないです)
https://www.youtube.com/watch?v=MAobsWwz-eY
3Dデータのみで発注でき、3営業日ぐらいで届いてしまう画期的なサービス
①▽meviyのサイトに発注したい3Dデータをアップロード(ドラッグ&ドロップでOK!)
https://gyazo.com/57e8b2e9339c5e993b43c0531a125a45
②加工方法の欄の板金部品を選択
③▽メッセージの欄の次に進むをクリック
https://gyazo.com/5a07a105835c89d5fbeab24416ae31f4
④▽勝手に3D形状を認識してくれている
https://gyazo.com/30ca7063340825415f38468f6ea2df09
警告は黄色
限界値を下回ってはいないが、推奨値を下回っている
無視することもできる
エラーは赤色
無視できない(設計修正の必要がある)
ただし自動見積もりをあきらめれば(人による見積もりにすれば)可能なこともある
このような場合は「価格を確認」のところが「meviyサポートに見積を依頼」という文言になるはず
(あとでメールで見積もりをいただける)
ただ人による見積もりの場合もさすがMISUMIで1、2時間で見積もりが来たりする(実体験)
このエラーはあくまでデフォルトの材質の場合。材質を変えればエラーがなくなることも
⑤▽2x M3などの穴の寸法をクリックすると、穴の種類を変えることができる
https://gyazo.com/4bf6c19a1ebd76b91d27ebbbcd51b863
Mはねじ穴(タップ)であることを指す。M3は外径約3 mmのねじ穴のこと
ちなみに2x M3は「M3のねじ穴が2つ」という意味
図面上ですべてのM3穴に「M3」と指示するのが面倒なので行われる手法です
たとえばSolidWorksではM3は直径2.5 mm(=Φ2.5 mmと記載する)の穴としてモデリングされている
(SolidWorksに「M3の穴を開けろ」と指示すると3DデータとしてはΦ2.5 mmになる)
meviyもそのことを知っているのでΦ2.5 mmの穴を認識すると「M3を開けたいんでしょ」と気を利かせてくれる
ただし「いやM3じゃなくてただのΦ2.5 mmの穴(通し穴)を開けたいんだ」というときがある
そういうときにこの画面で修正する必要がある
バーリングタップは▽こういった加工のこと
https://www.hiraide.co.jp/wp-content/uploads/2017/08/br1.jpg
一般的にねじは3山(3ピッチ)以上かけろ、と言われている
たとえばM3の場合は1山0.5 mm。t1.0 mmの板金だと2山しかかからないことになる
そういったときにバーリングタップにしてねじ山の数をかせぐ
ただし「3山かけろ」にどれほどの根拠があるかは実は謎です…
⑥▽基本情報で希望納期、材質、表面処理を指定
https://gyazo.com/0fa81f58a8183ca6f112a24002e4af32
⑦▽必要あればコメント欄に追加指示を記入
https://gyazo.com/39b7ab0d7922b855cc5ab1e670db36fc
ここに記入すると人による見積もりが必要になるため自動見積もりができなくなる
価格も上がるはず
それ以上を求めるときに追加指示を行う
なので、コメント欄は基本的に使いません!
⑧▽(自動見積もりの場合は)価格を確認をクリックすると出荷日と金額が出てくるのでよければ見積条件を確定
https://gyazo.com/6d7fb5197cd8fd1bd24c5d02ba12da48
⑨▽見積条件を確定し、型番を発行しますか?と聞かれるので、はい(型番を取得する)
https://gyazo.com/5f9d26ec304fa241bc6d8ea6c9a9c8ba
⑩▽見積リストへ追加→見積リストへ進む
https://gyazo.com/414a40e847fd0d9df219a545e624385e
⑪▽注文入力画面(WOS)へ進む→メッセージがでてくるので注文入力画面(WOS)へ進む
https://gyazo.com/e5ee88f03357cced3d6b8669c480e85a
⑫▽発注画面に進むので、いつものMISUMI-VONAと同じように発注する
https://gyazo.com/7ffba3e43d9cdee9dce7661aa5531607
つまり、この型番を共有すれば他の人も同じ部品を購入できる
自分の設計した部品を市販品のように扱うことができる→オープンソースプロジェクトで使える
なお他の人が購入できないように設定することも可能
meviy独自設計ルール
加工限界などの設計のルール、また「Φ2.5 mmの穴をモデリングするとM3として認識します」といったようなモデリングのルールが記載されている
独自とは言っても、絵辞書に従っていればおそらくこちらでも問題なし
これ以外の形状でも、人による見積もりであればもしかしたらやってもらえるかも?
材質
鋼材(鉄+炭素の合金)
鉄系(安い。錆びる。鋼なのでもちろん純粋な鉄ではないが、(たぶん)鉄(Fe)の含有量が多く「ほとんど鉄」なので「鉄」「鉄系」と呼ばれる種類の鋼材)
全体が錆びるので表面処理(塗装など)を行うのが前提
切り出す前の板の状態で亜鉛めっきという表面処理がすでにされていて、その状態で加工する
そのために安い(meviyではSPCCと価格が変わらないはず)
ただし切り出した端面は中身のSPCCが出てきているので、錆びる
https://scrapbox.io/files/610cab196603f9001c20c334.jpg
製品の見えないところなどに使われる
筆者がもっともよく使う材質です
ステンレス(高い。錆びにくい)
一番よく見るステンレスです
2BのBはBrightのBらしいです(仕上がりが光沢のある状態である)
2Bの2の部分は、数字が小さいほど光沢がなく(研磨でいえば目が粗く)、数字が大きいほど光沢がある(研磨でいえば目が細かい)とのこと
となると2は粗めだということになりますが、実際これで十分なことが多いと思います
ちなみに「SUS304(2B)」「SUS304H(炭素を多く含み、SUS304よりも高温下での使用可)」など、もともとの材質名のあとに英数字をつけたして仕上げ方法や追加的な性質を表しているものがよくあります
ただしこういったものはけっこうローカルルールがあったり混乱して使われていたりする印象
疑問に思ったら加工屋さん(meviyならMISUMI)に質問して認識を合わせることが重要
「SUS304-CSP」と「CSP」が入っているものは板ばね材である、ぐらいは覚えておいてもいいかもしれませんが、それ以外は覚えなくていいと思っています(そのつもりで発注して意図しないものが届くよりちゃんと問い合わせたほうがよい)
ステンレスは表面処理がいらないため、SPCC+表面処理よりも結果安くなる場合もある
SUS304の片面が400番手のバフ研磨機で研磨されてぴかぴかに(鏡面仕上げ)
SUS304より若干、安くて錆びやすくて強度が弱くて見た目がぴかぴかしていないそうです(すいません使ったことないです)
社内で実際にmeviyでSUS304とSUS430頼んでみたらSUS430の方がぴかぴかしてました(あとで写真載せます)
ぴかぴか感などは研磨の具合でも変わるし、加工屋さんに相談したほうがいいですね!
磁石にくっつく(SUS304はくっつかない)
https://www.youtube.com/watch?v=i6MUVr92Ntw&t=162s
アルミニウム
アルミです
設計のコツ・テクニック
穴位置が曲げに近いとき
曲げ部に逃げ穴をつくることで変形回避
https://www.hiraide.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/68fbeefed8261d3bf830aafdff4b1168.jpg
ハーフピアス(半抜き)で複数部品の位置決め
円状のでっぱり
組み立てを簡単にする、ねじ1本で位置決めできるようにするなどの目的
https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/1308/29/yk_jinbanban15_03.jpg
ヘミング曲げ
180°べったりと曲げること
けが防止などの目的
https://www.metal-work.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/IMG_2514.jpg
曲げによって剛性を高める
https://scrapbox.io/files/610ca9295b43df001c7c61ff.jpg
折り紙と同じで曲げると剛性が上がる
https://www.kodama-good.com/case/cmsimg/IMG_6975_R.JPG
このようにボックス上にして溶接やねじで連結させるとさらに剛性アップ
コの字曲げ
https://jp.meviy.misumi-ec.com/help/ja/wp-content/uploads/2020/01/fcpl_item_guideline_39.png
https://jp.meviy.misumi-ec.com/help/ja/wp-content/uploads/2020/01/fcpl_item_guideline_43.png
meviyだとB > Aといったルールがあるのでそれに従う
平面がほしい(平面度・平行度を求める)ところで曲げを多用しない
https://scrapbox.io/files/610ca87330443800221bb56c.jpg
△たとえばこの部品は、底面が4つの曲げ部で構成されている(このときはしかたなかったのです)
曲げ(特にこのような2回曲げ)でできた部分の平行度は期待できない!
曲げを入れると高い精度は期待できなくなる
切断の加工(タレパン、レーザー)と曲げの加工(ヤゲン+ダイ)の違いを考えると当然
複数の曲げ部のつくる面は完全な平面にはならないため、どこかは浮いている状態になる
加工屋さんの手数も増えてコストが高くなる
https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/1307/29/yk_jinbanban14_04.jpg
できるだけこのような設計を心がける(もちろん「できるだけ」で、できないときもある)
曲げない部分をうまく使う
https://scrapbox.io/files/610caa77d16d20001d51e4e8.jpg
最後に
ご興味を持った方はぜひ読んでみてください!!