能動的推論
エージェントが行動を生成し外部環境に対してフィードバックを返すとき、生成過程およびサプライズはエージェントの行動の関数となる。したがって、エージェントは、将来期待される自由エネルギー(期待自由エネルギー, expected free energy,
G
{\displaystyle G})を最小化するような行動を選択することで、将来の感覚入力を好ましい入力(つまり予測通りの入力)に近づけることができる。好ましい入力はpreference priorと呼ばれる事前分布によって決まる。図の例では、エージェントの犬は、餌を得るために期待自由エネルギーを最小化する行動を能動的に推論し、選択する。このように、能動的推論は、知覚と行動の両方を過去あるいは未来について積算された変分自由エネルギーの最小化により導出することができ、推論・予測・学習・行動計画・行動制御などを統一的に説明できる。そのため、生物の感覚入力に基づく適応的な行動の普遍的な特性を説明する理論的な枠組みとして期待されている。