無限大記号について
数学においてしばしば問題になる無限大記号について, 簡単に約束事をまとめておく.
informalには「どの数よりも大きい」を意味する記号として扱う
無限大という数学的対象が存在するわけではない
$ \sum_{i=0}^\infty f(i)と書いたときには「$ i\in\mathbb{N}について」というような形で上界を設けないことを意味する
$ \lim_{x\to +0}1/x = \inftyも結局は「どれだけでも大きな値を取る」と読み替えないといけない
高校数学でよくある「$ \infty + \infty = \inftyだから」系の論法は誤りと扱うが, formalにはうまく定義できる場合がある
formalには次のように議論することを約束する (この文章自体はinformal)
集合の場合は原則濃度として, 或いは$ \forall n\in\mathbb{N}. $ n\lt \lvert X\rvert. のように記号自体を展開して取り扱う
p進付値における$ v_p(0) = \inftyのような場合, その適用先によって挙動が変わる $ \max(v_p(0), v_p(1))の場合は$ \forall a.\ v_p(0) \gt v_p(a)であることを用いて$ v_p(0)を選択し, $ \max(v_p(0), v_p(1)) = \inftyと見做す
$ v_p(a)+v_p(b)の$ bが0である可能性に関しては場合分けによる排除が望ましい
ただ, 片方が無限大だった場合には$ v_p(a) + \infty = \inftyという擬似的な演算としての扱いと区別不可能
便宜上無限大記号を形式的な元として取り扱うことになる
codomainに$ \inftyが含まれることに関しても, 当該記号を形式的に付与して議論する
$ \mathbb{N}\cup \lbrace\,\infty\,\rbrace等
これは無限に大きな値が一つ含まれているわけでもなければ超限順序数$ \omegaを添加したわけでもないことに注意