沈みし魂の停戦協定
船長の葬式や取り決めを行う際に、武器を回収し、流血沙汰を回避するもの
「沈みし魂の停戦協定」は、ビルジウォーターで長く続く伝統である。それは厳格に施行された慣習というよりは口づての掟に近かった。だが、船長たちは海の伝説を誇る老人の葬式に頻繁に参列するのだが、そんなときにライバル関係にある船員同士が流血沙汰を起こさずに済んでいたのはこの協定のおかげだった。暴力的な男女がこのように古い慣習を守ることは、サラには幾分奇妙に思えた。そして、今日という日までサラはこれまで『破られていないのなら…』という考えの下、その掟を固持してきた。