サフィライト大強盗
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ガロム、
伯爵は夕暮れ時に会ってくれるそうだ。サーマゴの地下室の場所を書いた地図を持ってきてくれる。お前はチャームを持参してくれ。「欲望」ではなく「愛」のためだということを念押ししておけよ。そうすれば、少なくとも1週間は副作用に関するクレームに悩まされることもないだろう。顧客満足が第一だからな。
登山用スパイクとかガラスカッターとか失神ガスとか、仕事に必要なものは今調達させているところだ。お前も欲しいものがあれば言ってくれ。ペトリサイト樹脂コーティングの竜革の手袋は入手した。これさえあれば、サフィライトを安全に容器に移し替えることができるだろう。お前も防護装備を用意しておけ。サフィライトが皮膚についたら大変なことになる!
見つからないように気を付けろよ、ガロム!こいつが上手くいけば「川の王様」より金持ちになれるぞ! オーリヴ
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オーリヴ、この悪党め!お前が売りつけたチャームは、宣伝文句と全然違うぞ!
彼女の愛情は、1週間程は爆発的に大きくなったが、その後は続かなかった。そっちが保証した「長期的な愛情」はまったく見られない!効果を解くために、チャームは地下室に埋めたが、彼女に疑惑の目を向けられてしまい、すべてが台無しになった。この借りは必ず返してもらうぞ…血を見ることになるだろうな!
それから、お前たちの盗みのターゲットに密告させてもらうぞ。サフィライトの保管場所の近くにお前たちが現れたら、サーマゴ・ファミリーが頭蓋骨に銃弾を撃ち込んでくれるだろう。
彼らが失敗したら、私が自ら撃ち殺してやる!!私の名誉を傷つけた代償には、お前たちの脳みそがピッタリだ!
覚悟したまえ
ライルウッドのランギパス伯爵
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おい、オーリヴ、
伯爵が怒ってるぜ。チャームが効かなくて、公衆の面前で彼女に振られたんだそうだ。彼が店にやってきて、俺は撃たれたぞ!苦渋の選択だが、計画は俺抜きで進めてくれ。脚を動かせないから、役に立てそうにない。
サーマゴ・ファミリーにお前のことがバレてるから気を付けろ。俺を撃ったあとで伯爵が言ってたぜ。サーマゴがお前の皮を剥いではく製にして、スロータードックのホラーハウスに陳列するって。あそこには行ったことがあるが、絶対に仲間入りしたくない場所だ。奴らは、敵の死体に珍妙な衣装を着せて展示するんだ。まるでサーカスみたい」だった。 厄介な事態になってすまない。俺のせいだ。俺が「欲望」が多めで「愛」が少ないチャームを作ったせいで...伯爵も怒り狂ってるから、気を付けろよ。盗みの成功を祈っ ている。
ガロム
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大胆な犯行!サーマゴの地下室の盗難事件!幸運を呼ぶサフィライトが行方不明に!
本日未明、サーマゴ・ファミリー貿易商会から、ドレイネージ地区の高級品倉庫に不法侵入があったとの通報があった。犯人は単身、異国の猛獣の体液が保管されている地下室に侵入し、断熱容器から数ドラム分の濃縮サフィラ イトを盗み出した。
その後、犯人はサフィライトと酸性化合物を混ぜて、地下室の床を焼き穴を開けて逃走。逃亡先は不明だが、犯人の身元は判明している模様で、サーマゴ・ファミリーは悪名高いダマーシアの泥棒、オーリヴ・シェイクスによる犯行 だと主張している。
シェイクスはまだ盗品の転売を行っていないと見られ、出所の特定できないサフィライトは購入しないよう、アートム・サーマゴはバイヤーに警告している。「シェイクスからサフィライトを購入した奴は、皮を剥いでサーマゴ・ホラーハウスに陳列してやる。オーリヴの横に展示スペースを開けておくからな」と彼は語っている。
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サーマゴ・ホラーハウスのシェイクスの皮は偽物!
数週間前、サーマゴ・ファミリーは窃盗犯のオーリヴ・シェイクスを発見し、皮を剥いでホラーハウスに陳列したと発表した。多くの観客は1人につき10スプラットで盗賊の皮を見学した。
しかし本紙の調査の結果、その皮はシェイクスではなく、ビルジウォーターの港で困窮生活を送っていたピルトーヴァーの詩人、ジャレッド・オーセンのものだと判明した。サーマゴのはく製職人は、ヒゲを少し調整することで、彼をシェイクスに見せかけた。 このスキャンダルで、サーマゴ貿易商会は集中砲火を浴び、ホラーハウスの信ぴょう性にも疑問が持たれている。アートムはこれまで本当に敵を捕まえて皮を剥いできたのか?サーマゴ・ホラーハウス全体が嘘で塗り固められたサイドビジネスなのだろうか?
サーマゴは「皮はすべて本物であり、近日中にまた新しい皮を公開する」と発表。展示されるのは、シェイクスに地下室の情報をリークしたライルウッドのランギパス伯爵とのこと。