WindowsにEclipse(Pleiades All in One)とCコンパイル環境をインストールする
立命館大学情報理工学部セキュリティ・ネットワークコースのプログラミング演習では、Linux環境に統合開発環境であるEclipseをインストールした環境で演習を行っています現在はVisual Studio CodeとWSLを使った環境を推奨していますが、かつてはRainbow端末にあるLinux環境でEclipseを用いて演習していました。Windowsにも似たような環境を実現しようとすると、Eclipse IDEと、MinGWを組み合わせたものがあらかじめ入った上に日本語化されているPleiades All in Oneを入れると簡単で、Rainbow環境と似た環境で演習ができるので役立ちます。 前提とする環境
なおmacOSにもPleiades All in Oneが存在する。ここでは詳しく扱わないが、ここに書いてあることは参考になるだろう。
大まかな手順
Pleiades All in Oneのダウンロードページに行き、64bit版のC/C++ Full Editionをダウンロードする。
https://gyazo.com/382a6b5efe1ecc04d0b51baa6436b40c
「Pleiades All in One ダウンロード」から適切なバージョンのEclipseを選択する(この場合は青いボックス型のリンク)
もちろん新しい方が機能が多いことが期待できる。上記では最新版はEclipse 2021である。以下の説明画面ではEclipse 2019時点での解説が多いが2021と適宜読み替えること。 Rainbowの環境のバージョンと合わせると混乱が少ないので、それでもよい(ただし演習で使う範囲では最新版との違いはそれほどないし、Linux版とWindows版の違いもあるためどうせ完全に一致はしない)。2021年版Rainbow端末ののEclipseバージョンはEclipse 4.6 Neonである。 https://gyazo.com/d7334949965c4d8719657cbd24d97c0d
自動的にダウンロードが開始されるはずだが、開始されないようなら表示されたリンクをクリックする。
https://gyazo.com/aefeb6e086990a40808de9bc519bb847
ダウンロードされるファイルは、ブラウザによって違うが通常は「ダウンロード」フォルダに入るはずである。Internet ExplorerやEdgeで「保存」ではなく「開く」を選んだ場合にはダウンロードフォルダには入らず、直接zipファイルが開かれる。できるだけ「保存」を選ぶこと。
https://gyazo.com/a8cf8ae1981c45827e404b64c096e66f
ダウンロードしたPleiades All in Oneをインストールする
ダウンロードフォルダ内のファイル(2019-09の場合にはファイル名はpleiades-2019-09-cpp-win-64bit-jre_20190930.zip、2021-09の場合はpleiades-2021-09-cpp-win-64bit-jre_20210919.zip)を開き、中のフォルダpleiadesをC:ドライブ直下(c:\pleiades)に展開する。zipアーカイブ展開用のソフトウェアを特に入れていない場合には、単にフォルダのように見えるはずなので、これをC:ドライブにドラッグ&ドロップすると良い。
https://gyazo.com/970044a3ce6d093721ab890575e7c29f
https://gyazo.com/b1520485cc6214e53266428950528b1c
https://youtu.be/isCzRCwdlqU
インストールしたPleiades All in Oneを設定する
展開ができたらエクスプローラでC:\pleiades\eclipse\を開く。ここにeclipse.exeがあるはずである。これをクリックするとEclipseが起動し、Cコンパイル環境が利用できるようになる。なお、この際にeclipseの拡張子である.exeが見えていない場合には、図のようにクリックして拡張子を表示するようにしておく。Windowsのエクスプローラでは拡張子はデフォルトでは表示しないようになっているが、これはトラブルの元になるので通常は表示するように設定することを強く勧める。https://gyazo.com/9617ac2058a77866359b6b220793a18f
Eclipseを最初に起動した時には図のようなダイヤログが出る。ワークスペースという、各種ファイルが置かれるディレクトリを指定するのだが、../workspaceを指定するだけで良い。これでファイルはc:\pleiades\workspace\に置かれることになる。 https://gyazo.com/cfecf14b8352101bb87565c3dd6efa11
起動したら早速試そう。ファイル→新規→C/C++プロジェクトの順にクリックする。https://gyazo.com/85129a9f147270332ff334c302e48f7a
C管理ビルドを選んで次へ。
https://gyazo.com/8ef0de8096ca0ef7252083fbfd439fc0
プロジェクト名を適当に付ける(ここではhello)。プロジェクトタイプはHello World ANSI Cプロジェクトが楽だろう。ツールチェーンは必ずMinGW GCCを選ぶこと。以上選んだら完了を押す。 https://gyazo.com/542de4442c69389d67078bb74d9ad205
左上の金槌の形(🔨)をしたビルドアイコンをクリックするとコンパイルが行われる。下のコンソールにエラーが出ていなければとりあえずコンパイルは成功。https://gyazo.com/bfe4d98b163f0e75411cfd896a4b0017
実際に使うためにはデバッグビルドができるようにしておく必要がある。新規の起動構成としてデバッグビルドをデフォルト設定しよう。「起動構成なし」となっているところをクリックして、「新規の起動構成」を選ぶ。https://gyazo.com/cf85052e7c25d700e1c2b67b1f82038b
起動モードとしてデバッグモードを選び、起動構成タイプにC/C++アプリケーションを選んで次へ。https://gyazo.com/763ed33713778680c6cfd36d37228cc2
起動構成の作成は「完了」でOKhttps://gyazo.com/bbe763b1cc8cdb7ee70217fdebcd8705
これで、ビルドアイコン(🔨)をクリックするとコンパイル、実行アイコン(緑色の▷)をクリックすると実行結果が下のConsoleに出るようになる。https://gyazo.com/9ecf32b65dc5f753bf212cb8debd455e
同様に起動モードをデバッグにすると、実行アイコンが虫(🕷)アイコンになり、クリックすることでステップ実行などが可能になる。この際、パースペクティブの入れ替えを提案されるので、常にデバッグ時はこのようなパースペクティブになるようにチェックしておくとよい。https://gyazo.com/ad683194ad4fd3e01e5ed689d8d7e8b2
デバッグパースペクティブではこのようにステップ実行のためのボタンやウォッチリストなどのウィンドウが用意される。元のC/C++パースペクティブに戻すには「ウィンドウ」-「パースペクティブ」ー「パースペクティブを開く」の順に選んでC/C++パースペクティブを選択する。 https://gyazo.com/bae1fb2727043ec0781f3e7f34ef0376
これで一応Pleiades All in Oneが一通り使える状態になったはずである。
なお、PowerShellやコマンドプロントのようなコマンドラインでCコンパイラが使いたくなるかもしれない。その場合には、Pleiades All in One附属のMinGW gccを環境変数PATHを操作して使えるようにしてやる必要がある。その手順は以下の通り。
スタートメニューを開き、歯車のような形をしたアイコン「設定」を選ぶ。https://gyazo.com/9e2758454affb4ec88368ce23fecfac5
Windowsの設定で、検索窓に「環境変数」と入力してみよう。図のように「環境変数を編集」「システム環境変数の編集」の2つのメニューが出るので「環境変数を編集」を選んでクリックする。https://gyazo.com/6f38fee625629ac762d74529ad922ad1
ユーザ環境変数のうちPathを選び、「編集」をクリック。このPathは、コマンドプロンプトなどの場面において絶対パスや相対パスで指定されていないプログラム(バイナリ)が入力された時にそれを探すべき場所を表している。https://gyazo.com/967dc1773489f3df7d36459577aeb5ac
「新規」をクリックし、PathにMinGW GCCのある場所を加える。この解説の通りPleiades All in Oneをインストールした場合には、MinGW GCCコンパイラのプログラムgcc.exeはc:\pleiades\eclipse\mingw\binに置かれているので、これをPathに加える。多くの場合バックスラッシュ「\」は円マーク「¥」で表示されてしまうが同じ意味である。ただし、必ず半角文字で入力すること(このページからコピペすると間違いにくいだろう)。綴りを間違えないようにくれぐれも注意しよう(Pathは壊れると面倒なことになる)。編集が終わったらOKを押す。 https://gyazo.com/b471b5333b807557543bd0c58739bf73https://gyazo.com/040cae6995d8553b68c1e4505c9d8675https://gyazo.com/9df2181fce5fe63b460ae0b70ab1f4f2
一度Windowsからログアウトして、再度ログオンすると新しい環境変数が有効になる。試しにコマンドプロンプトかPowerShellを起動してgccを利用してみよう。コマンドラインからgccと入力しEnterを入力した時に、画面のようにgcc.exeがfatal error: no input filesとエラーメッセージを出力すればとりあえず成功である。あとはLinux環境と同様にコマンドライン上でもCコンパイラであるgccが利用できる。https://gyazo.com/1275745f61fdb45ac1dadcf7063be089
参考サイト: