Windowsでのエディタ
エディタ(Editor)はテキストファイルの編集に使うアプリケーションのことです。プログラムもテキストファイルなので、普通はエディタを使って作成編集します。このほか、エディタは論文やレポートを書くLaTeXでも使うので、パソコンを使うようになったら最初に入れておきたいツールです。
最近はEclipseやVisual Studioのような統合開発環境(IDE)にエディタが含まれていますのでこれを使う場面が増えていますが、これ以外に単独で動作するエディタを導入しておくと何かと役立ちます。
エディタの機能はいろいろありますが、プログラムを書くときには最低限以下の機能があった方が助かります。
シンタックスハイライト(Syntax Highlighting)
プログラムの文法に合わせて、予約語などの色を変えてくれる機能です。打ち間違いの発見が早まります。
サクラエディタでのシンタックスハイライト例
https://gyazo.com/40dd5357e9851355b9bb91a10124e222
どのようにシンタックスハイライトするべきかはプログラミング言語によって決まりますから、エディタに今編集中のプログラムがCであることを教えないといけません。多くのプログラマ向けエディタでは、ファイルの拡張子によって言語を見分けています。ファイル名が.cや.hで終わる場合にはCであると見なします。ファイルを新規に作るときも、すぐにファイル名を付けて一度保存してから続きを書くようにすれば良いでしょう。
括弧(カッコ)の自動対応
()、{}、[]といったカッコ類の対応を教えてくれる機能です。Cに限らずプログラミング言語ではカッコを多用しますが、その対応が乱れるとバグのもとですので、常にその対応を意識する必要があります。エディタによっては、例えば(を入力すると)を自動的に入力してくれたり、)を入力すると対応する(の色が変わったり印をつけるなどの機能がある場合があります。
自動インデント・自動整形
中括弧によりブロックを構成したときに、その段数に応じて行頭に適当に空白を入れるインデント(字下げ)の幅を揃えておくことはプログラムの見栄えを良くして、バグの防止に繋げることができます。自動インデント機能があると、必要に応じて自動的にインデント(字下げ)、つまり行頭に適当な空白を入れてくれます。
さらにインデントも含め、主に中括弧の位置のルールのことをインデントスタイル(字下げスタイル)といい、これを揃えておくことは特にチームでプログラムを書くときに重要になります。自動整形機能は、字下げスタイルが乱れているときに自動的に揃えてくれる機能です。
Wikipediaの字下げスタイル解説
Windowsでのエディタには現在以下のようなものがあります。どれでも好みのものを使えば良いと思いますが、迷った場合にはサクラエディタが一番簡単に使えると思います。
メモ帳(Notepad)
Windowsに最初からついてくるエディタです。しかし機能は極めて限られているので、これに頼るのは他に選択肢がない場合の最後の手段と思った方が良いでしょう。
サクラエディタ
高速で多機能なエディタです。完全に無料で利用できます。
CやC++のシンタックスハイライト機能が優れており、Cプログラミングに向いています。自動インデントもしてくれます。
導入の仕方等についてもネット上に多くの情報があります。例えばこちら:https://techacademy.jp/magazine/4722
Windows版しかありません。ダウンロードはこちらから。ただし、betaと書いてあるものはまだ開発途中の版なので初心者は使わない方が無難です。2020年6月現在の最新版は2.4.1です。
Visual Studio Code
Microsoftが提供する、最近とても人気がある多機能エディタです。特にプログラマや開発者を支援するための機能が充実してます。例えばCを書くときに'{'を入力すると自動的に'}'も入力されますので、カッコを閉じ忘れることがありません。シンタックスハイライト機能や自動インデント機能も豊富で、Extension(拡張機能)を用いると各言語に応じた自動整形もしてくれます。
WindowsだけでなくmacOSやLinuxでも動作します。
多くの拡張機能がいろんな人によって開発されていて、容易に機能を追加できます。
特に、レポートを書くときに便利なLaTeXとの統合機能はお勧めです。LaTeX Workshopという拡張機能を使うとよいでしょう。設定は最初は面倒ですがそれを乗り越えると物凄く便利になります。
こちらからダウンロードして使いましょう。またC/C++向けのExtensionも入れた方が良いでしょう。
参考:https://qiita.com/whim0321/items/ce7c1d8d203a21778a83
秀丸エディタ
古くから使われ、大変ファンの多いエディタです。機能も多彩で高速です。無料で試用できますが、使い続けるにはライセンス料(4000円)を支払う必要があります(このような販売形態はSharewareと呼ばれます)。立命館大学ではRAINBOW端末に導入されています。
ただしWindows版しかありません。
今から新規で個人利用で購入したい場合にはMicrosoft Store版をお勧めします。
EmEditor
秀丸エディタと同様にファンが多いエディタです。機能も大変豊富で、極めて高速です。無料版(EmEditor Free)と、有料版(EmEditor Professional)があります。無料版は、有料版を導入した後、ダウングレードすることで利用可能になります。
有料版はプラグイン機能により容易に機能拡張できます。無料版は機能は劣りますが、CやC++のシンタックスハイライト機能や自動インデント機能があり、初心者のCプログラミング程度なら十分に利用できます。
Windows版しかありません。
今から新規で個人利用したい場合にはMicrosoft Store版をお勧めします。
Atom
GitHub社がサポートする、ファンの多い多機能エディタです。Visual Studio Codeと同様にプログラマや開発者を支援するための機能が充実しており、WindowsだけでなくmacOSやLinuxでも動作します。Visual Studio Codeが登場するまでは非常に人気がありましたが、最近はVisual Studio Codeにファンを奪われているようです。
GitHub社がその後(Visual Source Code開発元の)Microsoft社の傘下になったことと、GitHub上のクラウド開発環境もVisual Source Codeベースになってしまし存続が危ぶまれていましたが、ついにサポート終了が宣言され、2022年12月15日をもってGithubレポジトリもアーカイブされてしまうことがアナウンスされました。https://github.blog/2022-06-08-sunsetting-atom/
多くの拡張機能がいろんな人によって開発されていて、容易に機能を追加できます。
ダウンロードはこちらから
参考:https://eng-entrance.com/atom-editor
個人的なお勧めはサクラエディタかEmEditorとVisual Studio Codeを両方入れておくことです。サクラエディタやEmEditorはとても軽いのでちょっとテキストファイルを開いて読むには最適です。プログラミングやLaTeXにはVisual Studio Codeがお勧めです。
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