「ゼロ年代の臨界点」
今ここで告白するが、私がかつて書いた短編のひとつ、「ゼロ年代の臨界点」は、この作品がなければ存在しなかったであろうものだ。小説の「形式」が持ちうる力というものを、この小説に教わったのだ。無機質な文体に無機質でないものをこめられる、という可能性を、私は石黒達昌の筆致から学んだ。(石黒達昌ファンブログ 「雪女」(『人喰い病』収録)
http://tobecontinued35.blog.fc2.com/blog-entry-8.html)
「架空史の中で真実であるとされているエピソードが、実は嘘だった」という下りで物語全体の信憑性を上げる手法……「盤上の夜」「戻り川心中」「魔術師」など。『後宮小説』にもあったかも。