2018年の履歴
発表履歴
1月2日 年始休み
1月9日 年始休み
1月16日 17:30-19:00 細川奈々枝(国環研)
1月23日 地球観測ミッション合同PIワークショップ(1/22~26)に合流
1月30日 17:30-19:00 奈佐原顕郎(筑波大)
2月6日 17:30-19:00 先崎理之(国環研)
2月13日 お休み
2月20日 JapanFlux10周年記念集会(2/20~21)に合流
2月27日 17:30-19:00 Luis Alberto Vega Isuhuaylas (森林総研)
3月6日 17:30-19:00 奈佐原顕郎(筑波大)
3月13日 17:30-19:00 神宮翔真(筑波大)
3月20日 17:30-19:00 小川結衣(筑波大)
3月27日 森林学会(3/26~29)に合流
4月3日 17:30-19:00 野田響(国環研)
4月10日 EGU2018(4/8~13)に合流
4月17日 17:30-19:00 片木仁(筑波大)
4月24日 17:30-19:00 小林慶子(国環研)
5月1日 GW休み
5月8日 17:30-19:00 熊谷直喜(国環研)
5月15日 お休み
5月22日 JpGU2018(5/20~24)に合流
5月29日 17:30-19:00 松井哲哉(森林総研)
6月5日 ASTERサイエンスチームアプリケーションWGに合流
6月12日 17:30-19:00 押尾晴樹(国環研)
6月19日 17:30-19:00 林真智(JAXA)
6月26日 17:30-19:00 PHAN Cao Duong (筑波大)
7月3日 お休み
7月10日 お休み
7月17日 17:30-19:00 染谷有(国環研)@2Fセミナー室
7月24日 17:30-19:00 宮内達也(国環研)@2Fセミナー室
7月31日 17:30-19:00 藤田知弘(国環研)@2Fセミナー室
8月7日 17:30-19:00 池上真木彦(国環研)@2Fセミナー室
8月14日 お盆休み
8月21日 17:30-19:00 深谷肇一(国環研)
8月28日 17:30-19:00 Hoang Trung Ta(筑波大)@2Fセミナー室
9月4日 お休み
9月11日 17:30-19:00 松橋彩衣子(国環研)
9月18日 お休み
9月25日 17:30-19:00 吉川徹朗(国環研)
10月2日 17:30-19:00 相原隆貴(筑波大)
10月9日 お休み
10月16日 17:30-19:00 小出大(国環研)
10月23日 17:30-19:00 Eko Prasetyo (筑波大)
10月30日 17:30-19:00 佐久間東陽(国環研)
11月6日 17:30-19:00 Truong Van Thinh (筑波大)
11月13日 17:30-19:00 YIN Shuai (国環研)
11月20日 17:30-19:00 阿部博哉(国環研)
11月27日 17:30-19:00 井上晋平(国環研)
12月4日 お休み
12月11日 AGU 2018 fall meeting (12/10-14)に合流
12月18日 15:30-17:00 平田晶子(国環研)
12月25日 クリスマス休み
2018年12月25日
クリスマスのため、お休みとします。
2018年12月18日
発表者:平田晶子(国立環境研究所 社会環境システム研究センター 地域環境影響評価研究室)
タイトル:気候変動にともなう全球スケールでの森林分布域の変化予測
概要:気候変動にともなう気温の上昇や降水パターンの変化は、森林の分布や機能に変化を与えると予想される。しかし、その影響の程度や方向性は地域によって様々である。乾燥化による森林樹木の枯死率の増加が報告され、森林の衰退が懸念されている地域もあれば、気温の上昇にともなう森林の分布可能域の拡大が予測されている地域もある。このような影響の地域差は、樹木の成長や生存の制限要因が地域によって異なることに起因していると考えられる。発表者は、気候変動にともなう森林の分布や機能の変化を全球スケールで予測するために、樹木の成長や生存を制限する乾燥、日射量、低温といった気候条件を生態ニッチモデルに組み込むことで、現在の森林分布を規定している気候条件の閾値を推定するとともに、将来の気候シナリオ下での森林分布域の変化の予測を行っている。本発表では、これらの解析結果をご紹介する。
2018年12月11日
「AGU 2018 fall meeting」に合流
2018年12月10〜14日(火)、Washington, D.C.
2018年12月4日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年11月27日
発表者:井上晋平(国立環境研究所 地球環境研究センター 物質循環モデリング・解析研究室)
タイトル:衛星リモートセンシングを用いた津波被災水田の作付け状況把握手法の検討
概要:東日本大震災による津波被災地の水田を対象におこなった、『衛星リモートセンシングを用いた作付け状況把握手法の検討』について紹介するとともに、現在取り組んでいる、『東アジアにおける水田マップの作成』及び『ディープラーニングや超小型衛星を用いた衛星リモートセンシングの農業分野への応用』について、検討状況を報告する。『衛星リモートセンシングを用いた作付け状況把握手法の検討』では、圃場区画ポリゴンと衛星画像(IKONOSのマルチスペクトル画像とパンクロマティック画像)を用いて、津波被災地域の水田における作付け作物(イネ、ダイズ、非耕作地)の分類を圃場単位で試みた。従来の最尤法による土地被覆分類の結果に、圃場区画ポリゴンを重ね最頻値を算出する手法に比べ、圃場区画ポリゴン内の統計値(マルチスペクトルバンドのDN値の平均値、パンクロマティックDN値の標準偏差、NDVIの標準偏差)のレイヤーセットを用いて最尤法による分類をおこなうことで、水田における栽培作物の抽出精度が向上することを確認した。
2018年11月20日
発表者:阿部博哉(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター センター長室)
タイトル:極端現象が沿岸域の自然生態系および漁業・養殖業に及ぼす影響評価-北海道の牡蠣養殖は安泰か?-
概要:異常高温や豪雨といった極端現象は全国的にみて増加傾向にあり、将来的にもその傾向は続くことが予測されている。極端現象は直接的に我々の暮らしに影響するが、様々なプロセスを通じて自然生態系や漁業・養殖業にも影響を及ぼす。本発表では北海道の沿岸域を対象とし、大雨や気温の上昇が牡蠣養殖やアマモ場の生産性にどの程度影響するかを数値シミュレーションによって検証した事例を紹介する。直近の10年間を対象とした流動シミュレーションの結果からは、牡蠣の斃死リスクは期間中1~2回急激に高まる程度であることが示された。しかしながら、今後の気候変動を鑑みると、低塩分水に晒されにくい漁場の特定や水温勾配を利用した適切な養殖工程の検討が一層重要になることが示唆された。また最後に、近年発生した極端現象が国立公園の自然生態系・漁業・養殖業に与えた影響の事例を簡単に紹介し、講じ得る適応策についても検討する。
2018年11月13日
発表者:YIN Shuai (National Institude for Environmental Studies, Center for Global Environmental Research, Biogeochemical Cycle Modeling and Analysis Section)
Title: Exploring the effects of crop residue burning on haze pollution in China using ground and satellite data
Abstract: As the largest developing country, China has experienced severe haze pollution, with fine particulate matter (PM) recently reaching unprecedentedly high levels across many cities. PM2.5, as the most important indicator of haze pollution, has been introduced into the national monitoring network in China since 2012. In this study, we used ground-measured air pollutants and various remote sensing and meteorological datasets to explore the effects of crop residue burning on haze pollution. Meanwhile, the MODIS thermal anomalies and land cover products are applied to extract the crop residue burning spots. The results indicate that the crop residue burning presents strong seasonal pattern and its spatial distribution is closely related to farming activities. In October and November 2015, three severest PM2.5 pollution episodes ever recording occurred in Northeast China, and the maximum concentration of hourly PM2.5 greatly exceeded 1,000 μg/m3 in Shenyang on 8th November 2015. The crop residue burning was inferred to have a direct influence on the first and second pollution episodes, especially in Heilongjiang Province. Finally, the transportation of aerosols combining with certain meteorological conditions (e.g. sudden increase of relative humidity, static or no wind weather) contributed greatly to the severe PM2.5 pollution episode in Jilin and Liaoning Province. We also compared air quality indexes and pollutants from remote sensing with ground-measured datasets; the results indicated that there were certain correlations and spatial consistency between the two types of datasets, except for Ultraviolet Aerosol Index (UVAI), which is meaningful to the area without an effective ground monitoring network.
2018年11月6日
発表者:Truong Van Thinh (Univ. of Tsukuba, Faculty of Life and Environmental Science)
Title: Establishing Forest / Non-Forest (FNF) maps for Viet Nam using ScanSAR time series images
Abstract: Vietnam has wide forest area (3/4 of total land cover) so that Forest/Non-forest (FNF) map is crucial information for governments and companies. In this study, I propose to use ScanSAR time series images, optical image, SRTM ... to map FNF for Viet Nam. The software which I used to classify FNF is SACLASS. In this presentation, I will focus on my initial result for FNF classification in one test area which is located in southern part of central region of Vietnam.
2018年10月30日
発表者:佐久間 東陽(筑波大学大学院 システム情報工学研究科 社会工学専攻,国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター センター長室)
タイトル:森林火災ポテンシャル推定のためのMODISと気象データに基づく指標の有効性評価
概要:本研究では,リモートセンシングデータ(RSデータ)および気象データを組み合わせた高性能な森林火災ポテンシャルモデル(FFPM)の構築を目指し,次の検討を行った。1) RSデータおよび気象データから算出される既往の森林火災ポテンシャル指標(FFPIRS,FFPIM)を算出し,2009年から2016年の8年間に日本で実際に発生した大規模森林火災情報データを用いて,発火時と非発火時で各FFPIの有意性を検証した。2) FFPIRSのみ,FFPIMのみおよびFFPIRSとFFPIMを組み合わせたFFPMの精度を比較した。結果として,既往研究によって提案されているほとんどのFFPIで発火と非火災時の値間で有意差が確認されたものの,NDVI等の植生の緑に着目した指標については有意差がみられなかった。FFPIMの方がFFPIRSと比較して発火と非火災時の差異を明確に表現していた。決定木を用いてFFPIRSおよびFFPIMを組み合わせることにより構築したFFPMはどちらかのデータを単独で構築したFFPMよりも性能が向上することが示された。評価指標により各FFPMは特性が異なるため,利用者の目的やデータ取得制限に応じて最適なFFPMを選択する必要がある。
2018年10月23日
発表者:Eko Prasetyo (Univ. of Tsukuba, Faculty of Life and Environmental Science, Graduate School of Biosphere Resource Science and Technology)
Title: Predicting Teak Plantation Suitability under Climate Change in Java, Indonesia
Abstract: Teak (Tectona grandis) is one of the most important tree species for high-grade wood plantations in the tropics. Teak planted in 70 tropical countries. Teak plantation covers 1.2 million hectares in Java, Indonesia. Good seedlings from breeding program have begun to be used in teak plantation, and since 2002 seedlings are from clonal propagation. These clone use for next teak plantation program throughout Java. Site limitations for teak plantation are altitude more than 900 a.s.l. (ideally 0-900 m a.s.l.), annual precipitation under 750 mm and over 4.000 mm (ideally 1,200-3,800 mm) and temperature under 13oC and over 38oC (ideally 22-27oC). Teak plantation is optimum on 3-5 dry months dry season. The forests of tropical Asia are considered to be vulnerable to climate change. Impact of climate change can also occur on teak plantations. In India, 30% of teak habitats are susceptible to climate change under future climatic scenarios. Global means surface temperature has risen by 0.85o C, over 132 years (1880-2012). The increase of global mean surface temperature for 2016-2035 is projected to exceed 1.5o C. Globally, an area that encompassed by monsoon area will increase over the 21th century. The objective of this study is to know the potential impact of future climate change on teak plantation. Growth data of teak throughout Java used for making model. Site index is calculated from growth data by Mitscherlich equation and use it for response variable. Mitscherlich equation used to describe the yield response of a plant to an increase in the main factor (climatic and or edaphic) that is limiting growth. Type of soil and bioclimatic variable such as rainfall and temperature used for predictor variable. Bioclimatic variable were obtained from WorldClim v.14 and type of soil was available from Soil Research Institute, Indonesian Ministry of Agriculture. Modelling the potential suitable area for teak plantation is worth action for teak plantation management.
2018年10月16日
発表者:小出大(国立環境研究所、生物・生態系環境研究センター、センター長室)
タイトル:定点カメラを用いた紅葉の観測:野外観測における頑健で高感度な色指標とモデリング手法
概要:定点カメラを用いた観測はこれまで植物におけるフェノロジー観測で重要な役割を担ってきたが、重要な文化的サービスである紅葉に関しては観測手法の比較が行われてこなかった。そこで本研究では、頑健で高感度な紅葉の定点カメラ観測手法を見出すべく、紅葉に関する色指標やモデルの比較を行った。国内3箇所の高山帯(大雪山旭岳、極楽平、立山室堂)における定点カメラデータを用いて解析を行った。観測年によっては、紅葉が生じない年も含まれていたため、この研究ではカメラ画像の解析対象領域(AOI)のRGB値およびそれから算出された色指標と、各AOIが紅葉しているか否かを目視で判断した教師データを用いて、判別分析によって紅葉期間を解析した。6種類の判別分析(線形判別、2次判別、多項ロジスティック判別、決定木、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト)と、7種類の色指標(ExR, GRVI, Hue, RGR, RGB, Rcc, VARI)の全ての組合せをcross validationによって比較したところ、紅葉時期の判別精度が最も高かったのは、RGBの3つの値をそのまま使った2次判別もしくは多項ロジスティック判別であった。また紅葉最盛日とその色付きの強さを野外で安定的に抽出できる色指標・モデルを明らかにするため、各調査地・年毎に80%のランダムサンプリングを20回行うことによって、悪天候などによる欠測に対する頑健さを解析した。その結果、スプラインで回帰したRGRまたはVARIの色指標において、紅葉最盛日を安定的に抽出できることが明らかとなった。また色づきの強さに関しては、ロジスティック回帰したVARI指標において赤色の強さを最も高感度かつ安定的に抽出できていた。しかし黄色の紅葉に関しては、高感度な指標(ExR)と安定的な指標(RGR)が異なっており、目的に応じた使い分けが必要と考えられた。本研究の手法はサイトやカメラ機器も異なる状況下で、色指標やモデルの平均的な能力を評価するものであり、広域的な紅葉期間・色づきの強さの解析には必要不可欠な試みと言える。
2018年10月9日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年10月2日
発表者:相原隆貴(筑波大学、生命環境科学研究科、森林生態環境学研究室)
タイトル:竹林分布の将来予測-気候変動・人口減少進行下の長野県において-
概要:本研究では、長野県全域の竹林(モウソウチク、マダケ、ハチク)の分布を抽出し、①将来の気候変動に加えて人口減少を反映させた竹林の潜在生育域を予測するとともに、②竹林面積と気温、降水量等の気候要因との関係性を解析した。竹林の潜在生育域を予測するモデルには、先行研究で竹林分布を決定する要因として指摘された年平均気温、積雪量に加え、人間活動の指標として人口密度を組み込んだ。その結果、①2050年には長野県の竹林の潜在生育域が平均で約30%拡大し、気温上昇率と人口減少率がともに高い都市域で竹林の潜在生育域が最も拡大すると予測された。また、②今回の研究対象域では、降水量と竹林面積には関係性が見出せなかったが、気温の高い地域ほど面積の大きい竹林が分布していた。気温が高いほど地下茎の伸長生長が促進され、より拡大しやすいといった可能性が考えられる。
2018年9月25日
発表者:吉川徹朗(国立環境研究所、生物・生態系環境研究センター、生物多様性評価・予測研究室)
タイトル:果実食鳥の種数・個体数は、広葉樹林の分断化にどのように応答するのか?
概要:現在、全世界的に森林の分断化・断片化が進行している。分断化した森林では森林性の動物の種数や個体数が減少し、またそれらの動物が果たしている生態系機能も質が低下することが懸念される。果実食鳥類は、植物の種子散布という重要な機能を担っているギルドであり、その機能を維持するためにも森林分断化に対する彼らの応答を把握することが重要である。本セミナーでは、生息地の分断化が動物群集に及ぼす影響について簡単にレビューした上で、分断化した天然林の果実食鳥群集についての研究事例を紹介する。茨城県北部の広葉樹林パッチにおける果実食鳥類群集を3年間調査し、その種数と個体数の決定要因を探った。その結果、果実食鳥にとっては景観スケールの要因と局所スケールの要因の双方が重要であること、それらの相対的な重要度が季節によって変化すること、特に非繁殖期は局所スケールの果実資源量が重要であることを明らかにした。これらの結果から、森林管理のあり方と種子散布機能の保全について議論する。
2018年9月18日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年9月11日
発表者:松橋彩衣子(国立環境研究所、社会環境システム研究センター、地域環境影響評価研究室)
タイトル:水をつかって分布調査:環境DNA技術を植物に適用する
概要:水辺環境における急速な生態系変化は、世界的に深刻な問題となっている。こうした変化に対応していくためには、生息生物の分布をいかに迅速に把握するかが重要となる。水生生物の分布調査を飛躍的に効率化する手段として、近年注目を集めているのが環境DNA技術である。水からDNAを抽出することで、そこに生息する生物を迅速且つ簡便に推定するこの手法は、様々な生物群に適用され、急速な発展を遂げている。一方で、植物における知見や適用例は未だ乏しい。本発表では、環境DNA技術を沈水植物の分布推定に適用した研究について紹介する。目では確認しづらい沈水植物の調査が、環境DNA技術の導入によってどのように変わっていくのか。技術開発の道のりと、それによって得られた成果についてお話する。
2018年9月4日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年8月28日
発表者:Hoang Trung Ta(筑波大学、流域管理研究室)
タイトル:Land Cover Change Mapping in Southern Vietnam Using Multi-temporal High-resolution Satellite Remote Sensing Data
概要:Land cover maps have been increasingly used in many global or regional environmental studies as an important information source. To meet the demand, a number of land cover products have been published, but the coarse spatial resolution is considered as a challenge of the current large area land cover maps. Thus, the purpose of this study is to create 10 meter spatial resolution land cover map of Southern Vietnam in 2007 and 2017, respectively. The maps then are analyzed to find out the changes of land cover between these two years. In this study, Landsat 5 Thematic Mapper (TM), Landsat 8 Operational Land Imager (OLI), Sentinel-2, AVNIR-2, ALOS PALSAR and PALSAR 2 mosaic, ALOS Global Digital Surface Model were employed to produce land cover map of the region by using Kernel Density Estimation classifier. Other ancillary data sources such as Open Street Map, Vietnam Geographical database were used for information supplement. In order to making and validating the maps, 60,000 reference data points were created based on the field GPS photos as well as visual interpretation on Google Earth images.The overall accuracy of the maps is 82% and 84% in 2007 and 2017 respectively. The maps reveal the expansion trend of orchard and urban area between the two periods whereas the decreasing in barren area is shown. The result also demonstrates the potentiality of using multi-temporal, multi-sensor satellite data in making the land cover map in the large area.
2018年8月21日
発表者:深谷肇一(国立環境研究所、生物・生態系環境研究センター、生物多様性評価・予測研究室)
タイトル:広域の種個体数分布と生物多様性の進化的基盤
概要:種個体数分布(SAD)は生物多様性の基本的な特性であり、これを理解することは生態学の重要な問題である。しかしながら、SADを調べるためには多くの種について個体を数え上げる必要があり、一般的に大きな労力を要する。そのため、現在様々な生態系で得られているSADは局所的なものに限られ、広域のSADについては理解がほとんど進んでいない。本研究では、計画的調査から得られる種の反復出現データと、機会的調査や専門家の査定に基づく種の分布情報を統合して、広域で多数種の個体数を推定する新しい統計モデルを提案する。このモデルを日本列島全域で収集された大規模な木本群集データに適用し、1248種からなるSADを10km四方の解像度で推定した。広域のSADが得られたことで、生態学の重要な概念でありながらその実体は捉えどころのない、メタ群集の構造が明らかとなる。推定されたメタ群集SADに基づいて、4つの生物地理区で支配的な種分化様式と種分化率の地域間変異を推測した。
2018年8月14日
お盆休み
2018年8月7日
発表者:池上真木彦(国立環境研究所、生物・生態系環境研究センター、生態リスク評価・対策研究室)
タイトル:標本情報から生物季節(フェノロジー)を推定する
概要:生物は、気温や日照あるいは降水など季節によって変化する要因に応じてその行動を変化させる。このような季節に合わせた生物の行動は生物季節(フェノロジー)と呼ばれ、生物の観察から季節の移ろいを把握できる事から農作業などに役立つため世界各地で記録が行われてきた。近年気候変動の影響として従来より早い季節の開花や紅葉の遅延、昆虫の発生の長期化や鳥の渡り行動の変化などが観察されているが、これは過去に蓄積されたデータとの比較で明らかになる事である。しかし、一方で生物季節の観察は季節変化への感度が高い種が主な対象となっている可能性が高く、生物季節の変化がどの程度一般性があるのかは不明である。しかし、気象変化に対応していない種こそ気候変動に脆弱な種である可能性があり、そのため従来観察されてきた生物種を基に気候変動の影響を評価する事は過小評価に繋がる可能性がある。そこで近年博物館などに収蔵されている標本をから過去の生物季節を読み取る研究が進みつつある。昆虫であれば、発生している時期に採集されるはずであるし、植物標本は花が咲いている個体を採集する事が基本である。一つの標本は季節の一部でしかないが、数多くの標本の採集日を調べる事で、植物の花期の推定や昆虫の発生時期等を把握する事が出来るはずである。本発表はアメリカ・カリフォルニア州において、標本情報から多数の種の花期を推定した研究を紹介する。特に植物の生活型に着目し、樹木・低木・草本などで花期がどのように異なるかをまず図鑑の情報を基に解析し、標本から推定される花期の妥当性を検証し、標本の採集地点における各年の気候から植物の花期に影響を与える気象要因を推定し、生物季節に対する気候変動の影響を評価したい。
2018年7月31日
発表者:藤田知弘(国立環境研究所、生物・生態系環境研究センター、生物多様性評価・予測研究室)
タイトル:人口および気候変動を考慮した将来土地利用シナリオの構築
概要:土地利用の変化は生物のハビタットを改変し、生物多様性の脅威となりうる。今後おこりうる土地利用を予測することは生物多様性保全にとり、貴重な情報を提供することとなる。先行研究で、人口や気候変動が土地利用変化に与える影響を検討した例は少ない。そこで本研究では日本全土を対象に人口および気候変動を加味し、2100年までの土地利用変化シナリオを構築した。本研究では機械学習の一種であるランダムフォレストを用い、土地利用シナリオを構築した。分析ではまず、1985年から2005年の実際の土地利用変化(水田・その他農地・森林・荒地・建物用地・その他人工的土地利用)と人口・気候値(暖かさの指数、最寒月最低気温、夏季降水量、冬季降水量)及び地形要因等の関係を分析し、学習モデルを構築した。ここで得られたモデルと人口および気候予測値を用い、土地利用の予測を行った。人口予測値については出生数比較(出生高位・中位・低位)と分布パターン比較(均質・集中)の全5シナリオを用いた。気候予測値についてはRCP2.6, 4.5, 8.5の全3シナリオを用い、分析した。土地利用の実測値(1985年から2005年)と同時期の予測値との間には高い相関がみられ、構築したモデルは高い精度で土地利用を予測できていることが明らかになった。2100年まで土地利用を予測したところ、2005年に比較し、水田については全シナリオで減少すると予測された。また、気候シナリオ間では予測値に大きなちがいはみられなかったが、人口シナリオではちがいがみられた。これに対し、その他農地については人口シナリオより、気候シナリオで予測値に大きな違いみられた。RCP2.6ではその他農地は2005年に比較し、減少すると予測されたが、RCP8.5では約10%の増加が予測された。以上の結果は土地利用における変化のドライバーとして、人口および気候値の重要性を示すものある。
2018年7月24日
発表者:宮内達也(国環研)
タイトル:GOSATによって観測された太陽光励起クロロフィル蛍光(SIF)のGPP推定への寄与と陸域生態系モデルへの適用
概要:温室効果ガス観測衛星GOSATの観測したスペクトルデータから太陽光励起クロロフィル蛍光(Solar-induced chlorophyll fluorescence: SIF)が算出可能であることが報告されて以来、SIFと総一次生産(GPP)との強い相関関係に基づいた炭素フラックス推定や陸域生態系モデルの予測精度向上に関する研究が盛んに行われている。2018年に打ち上げ予定のGOSAT-2ではSIFデータを用いて陸域生態系モデルVISITの予測精度を高め、L4プロダクト(CO2濃度、フラックスなど)の信頼性を向上させること求められている。そのための準備としてGOSATのSIFとフラックスタワー観測によるGPPとの比較や統計解析によってSIFがGPP推定にどれだけ寄与しうるかを調べた。本セミナーではJpGU2018で発表した内容と現在進めているVISITと群落放射伝達モデルを組み合わせたSIF計算について紹介する。
2018年7月17日
発表者:染谷有(国環研)
タイトル:衛星搭載熱赤外スペクトルサウンダーによる大気中アンモニアの全球観測
概要:近年の衛星搭載センサーの高波数分解能化によって、温室効果ガスを始めとする大気中微量気体の観測が人工衛星を用いて行えるようになった。10μm付近の水蒸気や二酸化炭素などの影響の少ない波長帯にはいくつかの大気微量成分の吸収体があり、アンモニアのものもそのうちの一つである。本発表では、GOSATによる約5年分の全球観測データから導出した大気中アンモニアの気柱積算量の時空間分布と、他のサウンダーによる同様のプロダクトとの比較結果を紹介する。
2018年7月10日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年7月3日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年6月26日
Presenter: PHAN Cao Duong(Univ. Tsukuba)
Title: Analysis of land cover changes in Central Vietnam using high-resolution multi-spectral-temporal remotely sensed data
Abstract: Monitoring land cover changes is essential for an intensive range of studies such as climate modeling, ecosystems and environmental protection. Recently, the availability of satellite images and the advancement of computational capacity have greatly enhanced land cover mappings with high temporal dimensionality and global scale coverage. However, global land cover products have little agreement on the consistency, coarse spatial resolution (> 30 m), and low accuracy (< 80 %) due to cloud cover, suboptimal acquisition schedules, and data archive access restriction. To close such issues, combining high- resolution and multi-spectral-temporal remote sensing imagery with ancillary data is one of the best methods. In this study, a low-cost method based on kernel-based probabilistic classification is employed to analyze land cover changes over central Vietnam from 2007 to 2017, using multi-sensor satellite images. The region was classified into water, urban, rice, crops, grassland, orchard, forest, mangrove, and barren by an automatic model. The model was trained and tested by 65,000 reference data collected from field surveys and visual interpretations. Results are the 2007 and 2017 classified maps with the spatial resolutions of 10 m and the overall accuracies of 90.5 % and 90.6 %, respectively. They show that in 2007, central Vietnam covered an estimated area of 94,000 square kilometers. Approximately 90 % of them was vegetated regions (paddy, crops, grassland, orchards, forest and mangrove) and the others were water, urban & built-up and bare land. Over a decade, paddy and bare lands lost by 485 and 496 km2 respectively whereas water, grassland, mangrove and crop areas witnessed an insignificant growth about 567, 969, 932 and 1,148 km2 respectively. Surprisingly, forest dramatically increased by 2,680 km2 but a sharp reduction of 4,604 km2 was seen in orchard areas. These findings are essential for the development of resource management strategy and environmental studies.
2018年6月19日
発表者:林真智(JAXA)
タイトル:PALSAR-2時系列データを利用したボルネオ島の森林バイオマス地図の作成
概要:森林バイオマスの空間分布を観測する技術は、炭素循環過程の不確実性を低減するために必要であるため、その需要が高まりつつある。衛星センサの中では合成開口レーダ(SAR)が、観測信号と森林バイオマスが直接相関している点や、雲を透過して観測できる点などから、その需要への期待が最も高いと言える。しかし、高バイオマス林分ではSARの信号が飽和してしまい、地上部バイオマスがおよそ100 t/haを超える林分には感度がなくなるという欠点がある。そこで本研究では、ALOS-2/PALSAR-2が広域観測モードで熱帯域全体を約1.5ヶ月ごとに観測した時系列データを利用することで信号飽和の問題を改善できないか、ボルネオ島を対象として検討した。その結果、飽和点を250-300 t/haまで引き上げられ、ボルネオ島の87%の森林で正確なバイオマス計測が可能であることが示された。従来の飽和点(100 t/ha)では25%しかカバーしていないことからも、熱帯林の観測には時系列データの利用が有効といえる。
2018年6月12日
発表者:押尾晴樹(国環研)
タイトル:衰退する土浦市中心市街地の冬季の温熱環境 -航空機RSと移動観測による実態把握-
概要:近年建築が盛んである高層建物が周辺市街地の温熱環境へ与える影響を評価することは、生活の快適性や省エネなどの観点から重要である。本研究では、地方中小都市でよく見られる単棟の高層建築であっても、特に冬季には周辺の温熱環境への影響が大きいのではないかと考え、単棟の高層建築周辺の表面温度と気温の分布を明らかにすることを目的に観測を行った。対象地として、高さ100 mを超える高層建築を有する再開発地区に低層の市街地が隣接する土浦駅の西側エリアを選んだ。表面温度に関する情報として、冬季の昼間と日没後に航空機リモートセンシングにより0.6 m分解能の放射温度分布を取得した。さらに気温の分布と、表面温度の主要な形成要因である放射収支の分布を把握するために、自転車を用いた移動観測を行った。高層建築の日陰では昼間であっても気温よりもかなり低い表面温度であり局所的にそこの気温も低かったこと、そのような低温環境の形成要因などについて発表する。
2018年6月5日
「ASTERサイエンスチームアプリケーションWG」に合流
2018年6月5日(火)、東京(機械振興会館)
2018年5月29日
発表者:松井哲哉(森林総研)
タイトル:気候変動とマツ枯れ
概要:マツと日本人との関係、マツ枯れとは何か、日本におけるマツ枯れ被害、海外におけるマツ枯れ被害、防除対策などについて、温暖化影響評価と絡めてお話させていただきます。
2018年5月22日
「日本地球惑星科学連合2018年大会」に合流
2018年5月20日(日)~24日(金)、千葉(幕張メッセ)
2018年5月15日
モデレーター不在のため、お休みとします。
2018年5月8日
発表者:熊谷直喜(国環研)
タイトル:環境指標の最適化によるサンゴ白化リスク評価:web市民調査データを用いた解析
概要:サンゴ礁生態系は広域・地域的な環境変化に最も晒されている生態系のひとつだが、近年は過剰な高温ストレスなどの環境条件によるサンゴの“白化”現象(共生藻類が減少した状態)が世界的な問題となっている。演者らはweb参加型の市民調査「みんなでつくるサンゴマップ」のサンゴ白化記録を用いて、白化が起こる環境条件・閾値を統計学的に最適化した。これによって世界最高精度の正答率と空間解像度(1 km) のサンゴ白化推定モデルの構築に成功した。またこのモデルの適用例として、沖縄海域の白化推定結果と、白化を軽減するシナリオ(温暖化適応策)のもとでのモデル推定の結果を紹介する。
Kumagai NH, Yamano H & Sango-Map-Project C (2018) High-resolution modeling of thermal thresholds and environmental influences on coral bleaching for local and regional reef management. PeerJ 6: e4382; DOI 10.7717/peerj.4382
2018年5月1日
ゴールデンウィーク期間中のため、お休みとします。
2018年4月24日
発表者:小林慶子(国環研)
タイトル:無居住化は里山景観の植物種の多様性をどのように変えるのか
概要:無居住化は、これまで人間活動によって維持されてきた二次林や半自然草地、水田などを生息・生育地とする生物の消失・減少させる原因になると懸念されている。一方、無居住化した地域を自然の遷移にゆだねて自然植生へ移行させることができれば、人間の開発圧によって劣化した生態系を回復させる契機となるかもしれない。本研究では、全国各地の無居住化集落とその近隣の人が暮らす集落の種組成を、指標植物を用いた野外調査によって比較し、無居住化が植物種の多様性に与える影響を評価した。
2018年4月17日
発表者:片木仁(筑波大)
タイトル:多時期土地被覆情報データセット“SACLAJ"の開発状況
概要:土地利用・土地被覆は時間と共に変化するため、多時期の地上検証情報を整備することが土地被覆研究において重要である。JAXA生態系グループは多時期土地被覆情報データセット”SACLAJ"を開発し、地上検証情報を収集している。SACLAJは現地写真とその土地被覆カテゴリをひも付けたデータセットであり、JAXAはその情報を登録するサイト"SACLAJ Web"も同時に開発・運用している。またSACLAJ Webに加え、発表者はSACLAJへの登録を補助するためのAndroidアプリ"SACLAJ Mobile"の開発を行っている。本発表ではこれらのソフトウェアを含め、研究・ソフトウェア開発の両面からSACLAJプロジェクト全体の現状と今後の展望を述べる。
2018年4月10日
「European Geosciences Union General Assembly 2018」に合流
2018年4月8日(日)~4月13日(金)、オーストリア・ウィーン(the Austria Center Vienna)
2018年4月3日 17:30-19:00
発表者:野田響(国環研)
タイトル:落葉広葉樹の個葉の分光特性の季節変動 ー放射伝達モデルPROSPECTによる解析
概要:植生リモートセンシングで観測される植生の反射特性は、植生の葉群構造(葉面積指数、葉の角度分布など)と植生を構成する葉の反射・透過率(分光特性)に大きく影響される。そして、個葉の分光特性は、葉の色素含量や含水率、LMAなどの生理的な特性により決まる。本研究では、岐阜大学高山試験地(岐阜県高山市)の冷温帯落葉広葉樹林において、優占樹種であるダケカンバ、ミズナラについて展葉から落葉までの分光特性を4年間にわかって測定した。その結果、展葉から夏に葉が成熟するまでの成長期間には、可視域の反射率はわずかに減少したのみだったのに対して、透過率は大きく減少した。一方、成熟した葉が落葉するまでの老化期間には、反射率・透過率がともに上昇した。これらの分光特性について、葉の放射伝達モデルPROSPECT-5 (Feret et al. 2006)により解析したところ、生長期間にはモデルで葉の内部構造の指標となるパラメータNは上昇した。すなわち葉の内部の細胞間隙が増えるような構造の変化が生じており、それが分光特性の季節変化に大きく影響していることが明らかになった。さらに、Nの値は温量指数(GDD)に対するシグモイド関数でモデル化することができた。これらの結果は、PROSPECTモデルを応用した様々なモデル(PROSAILやSCOPEなど)を落葉林において利用する際に役立つと期待される。
2018年3月27日
「第129回日本森林学会大会」と合流
2018年3月26日(月)~3月29日(木)、高知県高知市(高知大学)
2018年3月20日 17:30-19:00
発表者:小川結衣(筑波大)
タイトル:高山帯における絶滅危惧種保全を目的とした市民参加型調査の潜在的参加者の特徴ーライチョウを事例にー
概要:市民参加型調査で専門家による調査を補い,保全に必要な生息情報を取得できるような参加者を確保するには,調査に参加意思のある人から募集する必要があった。しかし,市民参加型調査は調査地へのアクセスが良い場所に限定されてきたため,高山帯においては,参加意思のみで専門家を補えるような参加者を募集できるかどうか明らかになっていない。そこで本研究は,高山帯での市民参加型調査において,専門家による調査を補うことができるような潜在的参加者の特徴を明らかにすることを目的とする。結論として,高山帯での市民参加型調査の潜在的参加者は,環境保全活動経験がある等,調査に参加意思がある人の特徴を有し,かつ高山帯での登山経験を有する必要があることが明らかになった。
2018年3月13日 17:30-19:00
発表者:神宮翔真(筑波大)
タイトル:FOSS4Gを用いた登山者自身による調査実施の課題 ~富士山村山古道登山におけるスマートフォンアプリを用いた実験
概要:登山道の適切な管理,利用者満足度の向上のためには,登山者の行動や関心事項を把握することが重要である。そこで,近年はICTの発展もあり,携帯端末のGPSやカメラ機能を用いて,登山者自身に記録を取ってもらうような調査が模索されてきた。本発表では,その中でも特にFOSS4G( Free and Open Source Software for Geospatial) の利用に着目し,FOSS4Gを用いた実験の結果について紹介する。筆者らは,筑波大学の富士山村山古道登山実習において,FOSS4Gを用いたスマートフォンアプリ「Geopaparazzi」を使用し,参加者の行動と関心の把握を試みた。参加者は,「Geopaparazzi」を使用し登山の軌跡をGPSにより記録し,また任意の地点において,写真記録,説明の文章の記録を取った。この記録を分析することで,登山時の行動と関心事項を明らかとした。また,参加者へのアンケート調査により「Geopaparazzi」への評価を明らかとし,FOSS4Gによる調査実施の課題について考察した。
2018年3月6日 17:30-19:00
発表者:奈佐原顕郎(筑波大)
タイトル:AMSR2とPALSAR2を使ったインドネシアSentarum湿地の高時空間分解能モニタリング
概要:ボルネオ島のSentarum湿地は, インドネシア最長の河川であるKapuas川の自然遊水地であり, 大きな季節変動をする。水文学・生態学の観点で, この湿地の湛水範囲を時系列で把握することは重要であり, そのために衛星リモセンが重要である。一方で当地は熱帯であるため一年中, 雲が多く, そのため衛星搭載光学センサーは役に立たない。雲を透過して観測できるマイクロ波センサーの援用が必要だが, 合成開口レーダーは観測頻度が不十分, マイクロ波放射計は空間分解能が不十分である。そこで両者を融合(フュージョン)することで, 高時空間分解能のモニタリングを試みた。フュージョンのアルゴリズムは, Mizuochi et al. (2014, 2017)のDBUXを改良したRFDBUX (ランダムフォレスト版DBUX)を用いた。本研究は修士2年の西山智佳子さんの修論だが, 投稿論文化のために再解析と追加解析を行っており、論文草稿とともに皆さんにご覧頂いてレビューアー目線でのご意見を頂きたい。
2018年2月27日 17:30-19:00
発表者:Luis Alberto Vega Isuhuaylas(森林総研)
タイトル:Natural forest mapping in the Andes (Peru): A comparison of the performance of machine-learning algorithms
概要:The Andes mountain forests are sparse relict populations of tree species that have a low percentage crown cover and grow in association with local native shrubland species. The identification of forest conditions for conservation in areas such as these is based on remote sensing techniques and classification methods. In particular, the classification of Andes mountain forests is difficult because of noise in the reflectance data within land cover classes. The noise is the result of the variations in terrain illumination resulting from complex topography and the mixture of different land cover types occurring at the sub-pixel level. Considering these issues, the selection of an optimum classification method to obtain accurate results is very important to support conservation activities. In this study, we carried out cross-validation and comparative non-parametric statistical analyses of classification performance using three supervised machine-learning techniques: Random Forest (RF), Support Vector Machine (SVM), and k-Nearest Neighbor (kNN). The SVM and RF methods were not significantly different in their ability to separate Andes mountain forest and shrubland land cover classes, whereas the kNN method had a poorer performance because it was more sensitive to noisy training data.
2017年2月20日
「JapanFlux10周年記念集会(兼 国立環境研究所 陸域生態系モニタリング研究集会)」と合流
2018年2月20日(火)~2月21日(水)、茨城県つくば市(国立環境研究所)
2018年2月13日
モデレータ不在のため、お休みとします。
2018年2月6日 17:30-19:00
発表者:先崎理之(国環研)
タイトル:米国に蔓延する騒音害と光害は鳥類の繁殖活動を変える
概要:自動車、電車、飛行機―人類の技術革新の賜物に常に付きまとうものに騒音や人工光がある。これまで多くの研究が、騒音や人工光が野生生物の生理・行動・繁殖に与える影響を記載してきた。しかし、こうした研究の多くは狭い地域における単一種を対象にしてきた。そのため、騒音や人工光が広域スケールの生物群集にどのような影響を与えるのかは全くわかっていない。そこで本研究では、大規模な市民データと衛星観測データも用いた高解像度の騒音と人工光の予測マップを用いて、米国全域における142種類の鳥類の繁殖活動(抱卵開始日、一腹卵数、部分孵化成功度、巣立ち成功度)に騒音と人工光が与える影響を調べた。
2018年1月30日 17:30-19:00
発表者:奈佐原顕郎(筑波大)
タイトル:衛星搭載降水レーダーTRMM/PRを植生観測センサーとして使う
概要:TRMM/PRは, 18年間にわたって熱帯・亜熱帯の降水を宇宙から観測するという偉大な業績を残したが、実はそのデータの大部分を占める無降雨時のデータは活用されていない。実はTRMM/PRの無降雨時のデータは陸面状態の観測に有用かもしれないという報告は既にあり、陸面の特徴はレーダー反射の入射角依存性にあらわれることがわかっている。ところが、この入射角は、地形によって大きく影響を受けることがわかった(まあ当然である)。今回、その影響を軽減し、地形の影響を受けずに陸面状態(特に植生)を抽出する手法を開発した(ていうか開発中)ので、報告する。
2017年1月23日
「平成29年度 地球観測ミッション合同PIワークショップ」と合流
2018年1月22日(月)~1月26日(金)、東京都千代田区(TKPガーデンシティ竹橋)
2018年1月16日 17:30-19:00
発表者:細川奈々枝(国環研)
タイトル:冬季気候変動下における森林生態系の土壌窒素変換に細根リターが果たす役割
概要:冬季気候変動による土壌の凍結融解パターンの変化は、枯死細根(細根リター)を増加させることで土壌中の窒素変換に影響をおよぼす可能性があるが、不明瞭な点が多い。本発表では、細根リターの植物種の影響と、異なる植生下の土壌における応答の違いについて論ずる。調査は北海道東部に位置する京都大学北海道研究林標茶地区のミズナラ二次林(下層植生:ミヤコザサ)で行った。まず、細根リターの植物種の違いが土壌の窒素変換に与える影響を明らかにするため、室内培養実験を行った。調査地の主要構成種であるミズナラとミヤコザサ(ササ)を対象植物として、それぞれの細根リターを土壌に添加した。ササ細根リターは土壌凍結期間に、ミズナラ細根リターは融解期間に窒素無機化速度を促進させた。凍結融解イベントによって細根リターから溶脱する溶存有機窒素は、ササの方がミズナラよりも有意に多かった。このことから、ササ細根リターは溶存有機物を供給するため、迅速に窒素無機化速度が促進されたものと考えられた。一方、ミズナラ細根リターの添加による遅れた窒素無機化速度の促進は、凍結融解イベントによる物理的破砕等の作用が関係すると考えられた。次に、異なる植生下の土壌による違いを明らかにするため、冬季気候変動による積雪量の低下を模倣した除雪実験下で土壌の野外培養を行った。調査地のミズナラ林と、ミズナラ林に隣接するカラマツ林からそれぞれ土壌を採取した。各土壌には、両林分で共通の下層植生であるササ細根リターを添加した。正味窒素無機化速度は、除雪区の細根リター添加土壌を除き、ミズナラ林の方がカラマツ林より有意に大きかった。さらに、正味溶存有機炭素生成速度は、細根リター添加によって、ミズナラ林では有意に減少し、カラマツ林では有意に増加した。除雪区での各植生での正味窒素無機化速度の変化は、窒素無機化の基質となる溶存有機物の消費・生成と関係していた可能性がある。本研究から、冬季気候変動による凍結融解パターンの変化は、細根リターのような新鮮有機物の増加を介して土壌の窒素変換に影響し、その応答は植生によって異なることが明らかになった。また、細根リターの植物種の違いは、窒素無機化速度の増加タイミングにズレをもたらしていた。
2018年1月9日
年始休み
2018年1月2日
年始休み