2013年の履歴
2013年12月16日
「複数の地球観測衛星データを利用した分野横断型研究に関するワークショップ」に合流
2013年12月10日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:Wei Yang 楊偉(海洋研究開発機構)
タイトル:Remote estimation of optical properties for turbid inland waters
概要:Remote estimation of the water optical properties, such as absorption coefficient, backscattering coefficient, diffuse attenuation coefficient, etc., plays crucial role in the study of biogeochemical processes in the water ecosystem. We proposed a quasi-analytical algorithm to remotely estimate the total absorption and backscattering coefficients for turbid inland waters (denoted as QAA_Turbid). Based on the retrieval of QAA_Turbid, we derived the spectra of diffuse attention coefficient and Euphotic zone depth, which are important parameters for the model of primary production. Validation in three turbid Asian lakes demonstrated that our proposed method significantly outperformed conventional algorithms. The results imply the great potential of the method in satellite monitoring of optical properties for inland waters.
2013年12月3日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F交流会議室
コーディネーター:井手玲子(国立環境研究所)
タイトル:地球温暖化影響モニタリング手法勉強会:ドキュメンタリー映画『Chasing Ice』上映
概要:近年、地球温暖化の影響により超大型の台風が増加し、世界中で洪水や土石流などによる被害が多発しています。今後さらにこのような災害が増えることが懸念され、現在開催中のCOP19においても話題になっています。そこで、地球温暖化影響モニタリング手法勉強会として、映画『Chasing Ice』を上映します。この映画は、National GeographicのカメラマンJames Balogが、2007年からアイスランド、グリーンランド、アラスカなどにカメラを設置して氷河の定点観測を行い、命がけのカメラ設置と驚異的なスピードで後退する氷河の様子、そして巨大な氷山が崩れ落ちる瞬間を捉えたドキュメンタリーです。2012年にアメリカで公開され、数々の映画祭で最高ドキュメンタリー賞などを受賞した映画ですが、今のところ日本での公開予定はありません。(映画本編約75分間。英語のみ、日本語字幕等ありません)
2013年11月26日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
コーディネーター:奈佐原顕郎(筑波大学)、村上浩(JAXA/EORC)
タイトル:フェノロジーモニタリング研究の未来(ブレーンストーミング)
概要:分光放射観測や自動撮影カメラによるフェノロジーモニタリング(Phenological Eyes Network; PEN) については、活動開始から10年が経過し、サイト数、データ取得年数ともに増え、新たな研究を生みだす基盤としてたいへん貴重なものに育っています。特に、今年10月には、つくばや岐阜県高山で、特別セミナーや国際ワークショップの関連セッションを開き、最近の研究成果報告も行いました。一方、いろいろな研究のアイデアの片鱗が頭に浮かぶものの、事情により直接的にはそのデータを使った研究に没頭できない方も少なくなく、PENのデータを使って活発に研究する意欲のある方々に、より多く参入してもらう必要のある段階でもあるようです。このような状況のもと、トラノアナで一度、PENの基盤を活かした新しい研究、カメラ画像をはじめ、個葉や群落の分光特性データ、放射モデルなどを本格的に併用する研究、それらを GCOM-C 推進に活かす道筋などについて、自由なブレインストーミングをやってみてはどうかと考えています。興味のある方はぜひご参加ください。
2013年11月19日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:藤平啓(筑波大学)
タイトル:ナイルデルタにおける農作期の地域的特徴の抽出
概要:エジプト ナイルデルタを対象に、MODISを用いて 夏の農作期の地域的特徴の抽出を試みた。高時間分解能の利点を生かし、NDVI値の経時変化から、平均的な農作期を地域ごとに特定することができた。この結果、地域的な作期の違いが、土地被覆分類図の精度に大きく影響していることが確認できた。現在までの解析結果を報告する。
発表者:Temulun Tanggud テムルン(筑波大学)
タイトル:Using MODIS time series data monitoring lake area variation in Inner Mongolia from 2000 to 2012.
概要:Inner Mongolia has a semi-arid to arid continental climate with a significant proportion of grassland and desert area. In recent decades, Inner Mongolia has experienced severe land cover change due to varies reasons. Lakes plays very important role in hydrology, climate and ecology of its surrounding region. In my recent study, I choose bigger lakes in Inner Mongolia as target, using MODIS time series data monitoring how lake area changed from 2000 to 2012. Also future research plans also will be presented.
2013年11月12日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:奈佐原顕郎(筑波大学)
タイトル:高山サイトと歩んだPhenological Eyes Network, その他
概要:高山サイト20周年ワークショップと、その後の市民講座で講演した内容を、日本語でトラノアナでお話ししたいと思います。先日のRichardsonのNIESセミナーで提起された問題(緑の指標が初夏にピークをとる理由)にも、簡単なモデル計算でお答えします。
2013年11月5日 17:30-19:00
中止
2013年10月29日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:磯口治(リモート・センシング技術センター)
タイトル:ALOS/PALSARによるインドネシアスマトラ島における森林伐採の検出
概要:インドネシアスマトラ島の森林伐採に対するALOS/PALSARの後方散乱断面積の時間変化を調べた。クロス偏波(HV)は減少する一方、水平(HH)偏波は、一旦上昇した後、減少する傾向が確認された。以上の特性を利用して、PALSARの2偏波高分解能データ(FBD)および単偏波(HH)であるが観測面積が広く、観測頻度が高いScanSARデータを用いて伐採地の検出を行った結果を紹介する。
2013年10月22日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F交流会議室
発表者:庄山紀久子(国立環境研究所)
タイトル:土地利用シナリオ分析と生態系サービス評価
概要:将来の土地利用変化による生態系サービスへの影響を把握するためにシナリオに基づいた土地被覆変化を推定し生態系サービス指標を算出した。釧路川流域の事例を現地でのワークショップの報告とあわせて紹介する。
2013年10月15日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:角田翔(筑波大学)
タイトル:人工衛星を用いた北海道森林バイオマス分布図の作成
概要:人工衛星ICESatに搭載されたレーザー高度計GLASを用いて森林域の鉛直情報を取得し、森林をバイオマス量として3次元的に取り扱う方法を検討しています。現在の研究進捗状況と今後の研究計画についてご報告させていただきます。
2013年10月8日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:平春 ハブラー(国立環境研究所)
タイトル:光学センサ・合成開口レーダ・衛星ライダーの統合利用による熱帯林のバイオマス推定
概要:リモートセンシングによる従来の方法では,光学センサ,SAR,衛星ライダーを用いた単独センサによるバイオマス推定が行われてきた。本研究では,この三つのデータを統合的に用いることでバイオマス推定手法の高精度化を試みた。衛星ライダーICESat/GLASから推定されたバイオマスをトゥルスデータとし,Landsatの各バンドとそれから計算された植生指数とALOS/PALSARの後方散乱係数を説明変数とし,重回帰分析によりバイオマスの推定を行った。
2013年10月1日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:村上和隆(国立環境研究所)
タイトル:温室効果ガス観測技術衛星GOSATの雲・エアロソルセンサによるカナダ・ケベック州の森林火災モニタリング
概要:2013年6月中旬にカナダのケベック州で複数の大規模な森林火災が発生した。この森林火災は,7月中旬までの約1ヶ月間にわたり発生と鎮火を繰り返し,広範囲にわたって森林を焼失させた。また,この森林火災にともなって発生した煙が偏西風に乗って大西洋を渡りヨーロッパにまで届いたというNASAの報告もあった。特にジェームズ湾東岸地域における森林火災は大規模で,かなりの面積の森林が焼失した。本発表では,温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT: Greenhouse gases Observing SATellite)の雲・エアロソルセンサ(TANSO-CAI)のデータを用いて森林火災によって発生した煙を検出し,広がっていく様子をモニタリングした結果を述べる。また,火災によって焼失した森林面積をGOSAT TANSO-CAIデータから推定し,その時間変動パターンを示す。
2013年9月24日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:村上浩(JAXA/EORC)
タイトル:第3回GCOM-C分野共通課題ワークショップ「検証観測・誤差評価」の報告
概要:GCOM-Cでは、大気、海洋、陸、雪氷の各分野間にまたがる課題を深く議論するために、年1回程度分野間共通課題のワークショップ(WS)を開催することにしている(これまで、2011年に「雲識別」、2012年に「大気補正・エアロゾル」を実施)。現在GCOM-Cアルゴリズム開発を進める中で、その基盤となる必要な精度の現場観測データを蓄積していくことや、将来のGCOM-Cプロダクト検証の見通しを立てることや、モデル利用に向けた誤差評価等が必要となっている。 そこで今年度は、特定のサイトのデータを集中して実際に解析し、上記の必要性に対して実践的な情報交換・議論を進めることを目指し、富士北麓・富士吉田サイトの近辺でミニワークショップを開催した。エアロゾル推定や大気補正に必要な地表BRDFの観測・モデル化、LAIやバイオマス検証に必要な500mスケールサイト、SKYNET観測の維持やデータの解析、極域の観測、海外グループとの連携による観測準備などについて発表・議論が行われ、今後それらがGCOM-CのPIチームの活動や検証計画に反映されていく予定である。
2013年9月17日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:林真智(国立環境研究所)
タイトル:衛星ライダーを利用することによるボルネオ島の森林資源量の推定
概要:衛星搭載ライダーを利用することで高精度に森林の3次元情報を計測できることが期待されている。そこで本研究では、ボルネオ島(カリマンタン島)の全域を対象として、衛星ライダーであるICESat/GLASデータの解析を行い、森林資源量推定へ応用した。その結果、地上バイオマスの空間的な分布状況や全島の地上バイオマス総量などが明らかになった。また、特に泥炭湿地林(Peat Swamp Forest)に着目して、樹高や地上バイオマスに関して他の森林タイプとの差異の比較も行った。
2013年9月10日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:橋本秀太郎(北海道大学)
タイトル:AVNIR-2による多時期観測データを用いた高精度土地被覆分類手法の開発および日本全国の土地被覆分類図の作成
概要:本発表では,多時期光学観測データを用いた広域土地被覆分類のための高精度な分類手法について紹介する。提案手法では、多量の教師データを元に季節性を考慮した上でシーン単位での分類を行った後,得られた多時期の分類結果を統合することで最終的な分類結果を得るアプローチを採用した。それにより、被雲等の欠測により等質な時系列データ構築が難しい多時期光学観測データを用いても高精度な分類が可能になる。本研究では提案手法を用いてAVNIR-2低被雲率データセットから日本全国の10mメッシュ8クラス土地被覆分類図を作成し,従来手法による結果と比較した精度検証を行った。その結果も併せて紹介する。
2013年9月3日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:Zheng-Hong Tan タン・ゼンホン(国立環境研究所)
タイトル:Eddy covariance as a tool to study ecosystem physiology
概要:We extended the idea of ecosystem physiology which was raised during IGBP campaign and did several case studies on it by using eddy covariance as a tool. We find that old-growth subtropical forest is persistent in a severe regional drought in ecosystem physiology perspective. Northern edge of SE Asia tropical rainforest was highly sensitive to interannual water variability. China’s subtropical and tropical forest water-use efficiency was not detected increased with CO2 in the past decade which happened in temperate and boreal forest of Northern Hemisphere. The carbon budget of China’s forest was investigated by synthesizing available data. The contribution of forestry activity to carbon balance was also discussed. 2013年8月27日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:幕田裕貴(筑波大学)
タイトル:TRMM/PRを用いた森林面積変動推定のための植生指標の開発
概要:TRMM/PRは降雨レーダーであるが、以前からその後方散乱係数は植生と相関があることが報告されてきた。私は、TRMM/PRが具体的にどのように植生との相関を持つかを明かにし、植生指標としてのTRMM/PRの利用法を開発している。今回は、現在までの結果と今後の計画について発表する。
2013年8月20日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F交流会議室
発表者:哈斯巴干 ハスバガン(茨城大学)
タイトル:衛星画像と人口統計データを組み合わせた都市成長分析
概要:東京大都市圏の過去40年間の成長パターンを把握するために、1972年、1987年、2001年、2011年に得られたLandsatリモートセンシング画像を用いて、4時期(1972~1987年, 1987~2001年, 2001~2011年および1972~2011年)の土地被覆変化を分析した。また各年の土地被覆分類図を人口統計データ(1970年から2010年まで)と組み合わせて、1km2メッシュ単位で、人口密度変化、土地利用変化を空間的、時系列的に分析した。更に、DMSP夜間の光データ、人口統計データと土地被覆・土地利用データの相関を分析して、DMSPと土地被覆・土地利用データで、人口密度を推定する可能性をも検討します。
2013年8月13日
お休み
2013年8月6日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:橋本昌司(森林総合研究所)
タイトル:グローバルデータセットを用いた土壌呼吸の全球モデリング
概要:土壌からの二酸化炭素の放出(土壌呼吸)は、地球規模の炭素循環における主要なフラックスの一つである。しかしながら、土壌呼吸の全球推定に関する研究は少ない。現在、"global soil respiration database"を用いてモデルを構築し、土壌呼吸の全球推定を試みているのでそのpreliminaryな結果について紹介する。
2013年7月30日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:野田響(国立環境研究所)
タイトル:高緯度北極圏ツンドラ生態系に生育する維管束植物の葉の分光特性と生化学的特性
概要:高緯度北極圏に位置するスバールバル諸島Ny-Alesund(北緯78°55' 東経11°56’)では,コケや地衣類の他,Salix polaris(ヤナギ)やDryas octopetala(チョウノスケソウ)をはじめとする維管束植物が優占するツンドラが広がっています。先日,ここで調査を行い,コケおよび維管束植物5種の個葉の分光特性と,生化学的特性(色素量,含水率,LMA,CN)の測定を行いました。今回は,現地での様子をお見せしながら,データの一部をご報告し,今後の研究のまとめ方についてもご相談できればと思います。
2013年7月23日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:仁科一哉(国立環境研究所)
タイトル:分野横断的モデル相互比較プロジェクト(ISI-MIP)の紹介 -生態系モデルを中心として、これまでの成果-
概要:ポツダム気候研究所主導で行われてきたモデル相互比較プロジェクトの紹介を行う。本プロジェクトは、モデルによって取り扱える気候変動影響を、包括的に把握することを目的として行われた。参加モデルとして水、農業(作物、農業経済)、生態系、健康(マラリア分布モデル)、インフラといった異なる分野の全球影響評価モデルを含み、それぞれのセクターについて複数のモデルグループが参加している。本プロジェクトはIPCCのAR5のWG2のレポートへの貢献を目的としており、RCPベースの共通気候シナリオを用いて将来予測を行っています。当日は演者の参加経験の感想を交えながら、本活動について紹介する。
2013年7月16日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室2
発表者:角田翔(筑波大学)
タイトル:ICESat/GLASを用いた地上森林バイオマス量推定の研究進捗状況と植生定点観測カメラ設置の為の北海道出張報告
概要:ICESat/GLASを用いて地上森林バイオマス量を推定する為のデータ解析方法と今後の研究計画、及びPENの観測サイトである北海道大学の雨龍研究林/天塩研究林に植生観測用のカメラを設置してきたときの仕事内容のご報告。
2013年7月9日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:今井正(JAXA/EORC)
タイトル:Characterizing 3D vegetation structure from space:Mission requirements(論文紹介)
概要:NASA DESDnyIミッションのミッション要求に関して、DESDnyIの概要と共に紹介する。今回は、DESDnyIミッションの3つの主目的(地形変動観測、森林・植生観測、氷床観測)のうち、森林・植生観測を取り上げる。
2013年7月2日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:丸山篤志(農業・食品産業技術総合研究機構)
タイトル:陸面作物結合モデルの開発と気候変動に対するイネの水利用変化の評価
概要:地球上の全陸地における取得水量の70%は農業用水であるが、日本ではその90%以上を水田用水が占めており、今後の水田水需要の変化の評価と水資源の有効利用が求められている。ところが、気候変動に対応した作期の移動はイネのフェノロジーにも影響を与えるため、陸面の物理過程に基づいたモデルのみではイネの水利用の変化を適切に評価することができない。そこで、イネのフェノロジーと陸面過程(放射伝達特性および気孔コンダクタンス)の関係を詳細に調べてモデル化することで、気候変動やイネの作期移動による水利用変化の評価を試みた研究について紹介する。
2013年6月25日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室1
発表者:林真智(国立環境研究所)
タイトル:衛星ライダーによる北海道の森林バイオマス計測
概要:近年、広域の森林バイオマスを計測する技術への期待が高まっているが、中でも衛星ライダーは高精度でそれを可能とする能力を持つと目されている。本研究では北海道の森林を対象として、衛星ライダー(ICESat/GLAS)から地上バイオマスを推定するための推定式を確立した。さらに、その推定式を北海道を観測している全てのICESat/GLASデータへ適用した。その結果、北海道の森林バイオマス分布の特徴を明らかにすることができ、衛星ライダーの有効性が確かめられた。
2013年6月18日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:秋津朋子(筑波大学)
タイトル:日射に対するPAR比の直達散乱分離分光方式による実測値と大気放射モデルRstar6bとの比較
概要:光合成有効放射(PAR)は、光合成量の見積りに重要であるので、炭素収支モデルのインプットパラメータなどとして全球規模でのPAR値が必要とされているが、定常的なPAR観測が行われている地点はまれである。それに対して、日射(RS)は世界中に品質の整った観測網が整っているため、RS からPARを推定する方法が一般的に使われている。そのようなPARの推定には地域や雲量により異なる一定のPAR / RSを利用するものや、RSとその他の気象データを組み合わせてPARを推定するものがある。このPAR / RSには、PARを測定する機器により、2種類の値が使われている。エネルギーベースのPAR (PE) / RSと光量子ベースのPAR (PP) / RSである。また、それらの結果を変換する係数(PP / PE)も存在している。これらの異なる値や性質が報告されていることや、モデルによって異なる気象パラメータや係数が使用されている原因のひとつとしては、解析に使用したデータに、測定エラーが含まれることが挙げられる。本研究では、直達散乱分離分光測定によるPARを用いることにより測定エラーを可能な限り排除した。PE / RS, PP / RS と PP / PE の実測値と理論的な大気放射モデル(Rstar6b)の値を比較し、PAR比の性質について調べた。今回は高層気象台で1年間観測した結果を報告する。昨年までよりも格段に多いデータ数となったため、気象データとの関係がより明らかとなった。
2013年6月11日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:居島修(高層気象台)
タイトル:分光型全天日射計(MS-710)の測器常数較正とつくばにおける太陽光スペクトルの試験観測
概要:分光型全天日射計については、世界的に統一した基準が定められておらず、測器感度の経年変化についても詳しい調査は行われていない。このため、当測器の光学特性を把握したうえで、標準光源(NISTランプ)を用いた測器常数較正を行い、つくばにおいて太陽光スペクトルの定常的な観測を試みた。
2013年6月4日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:安立美奈子(国立環境研究所)
タイトル:熱帯地域の生態系と土地利用別における土壌からのCH4とN2Oフラックスに関するメタ解析
概要:CH4とN2OはCO2と共に温室効果ガスとして多くの研究がなされている。特に、この2種のガスは主に農地を発生源としているため、土地利用と深い関係がある。熱帯地域では土地利用変化や農地面積の拡大により、これらのガスの放出量も増大すると予測されるが、その影響については不明である。今回の発表では、熱帯地域の土壌からのCH4とN2Oフラックスのメタ解析の結果について報告する。
2013年5月28日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:加藤顕(千葉大学)
タイトル:レーザーリモートセンシングによる森林バイオマス計測
概要:レーザーセンサーの飛躍的な技術進歩に伴い、地上構造物の3次元形状を迅速にそして簡易にデータ取得が可能となった。これまでに利用可能なレーザー計測は、航空機搭載型、車載型、地上設置型と3種類のデータ取得方法があり、データの利用目的によって異なる取得方法や解析手法が採用されている。これら様々なレーザーを用いて木質バイオマス評価を行う研究事例を紹介する。
2013年5月21日
日本地球惑星科学連合(JpGU)大会に合流
2013年5月14日 17:45-19:15
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:永谷泉(農林水産研究情報総合センター)
タイトル:衛星画像データベースシステムの運用とリアルタイム処理システムの構築
概要:農林水産研究情報総合センターでは、2000年から衛星画像データベースシステムを運用している。MODISデータ,NOAA,DMSP,MTSAT,Landsat等、様々な衛星データをデータベースに蓄積し、ユーザに提供しているが、これからの衛星では、さらにデータ容量が大きくなっていくために、今までの運用方法では処理しきれない問題がある。今回は、衛星データベースの運用の現状と今後についてお話し、さらに、現在、研究を進めている大気汚染物質の監視システムについても紹介する。
2013年5月7日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:澤田義人(東京大学)
タイトル:エンドメンバー自動推定機能付パターン展開法の開発とそのシステム化
概要:演者が開発した離散的状態空間モデル(DS4)の結果を検証することを目的として、画素分解法のひとつであるパターン展開法の自動化を行い、それらの結果から「植生→土壌」の変化が起きた地点の抽出を行った。パターン展開法は藤原らの方法を基にしているが、エンドメンバー数とエンドメンバースペクトルの抽出、最適化までを全自動で行うことができる。シーン毎に最適なエンドメンバーをデータから推定するが、植生のエンドメンバーの形はほとんど変化しない結果が得られた。ランドサット画像はUSGSより大量にダウンロードすることが可能になったため、自動処理によってより広域での植生変動を捉えることが可能となる。現在、演者らは開発した方法を実装しシステム化することを計画している。講演では自動処理システムの構築の具体的方法や構築に際して問題となる点などについても述べる予定である。
2013年4月30日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:伊藤昭彦(国立環境研究所)
タイトル:広域スケールでフラックスを推定するには何カ所の観測サイトが必要か? ー数値実験に基づく検討ー
概要:現地観測データをスケールアップして広域スケールのフラックスを推定する試みが行われているが、観測の精度や空間代表性を踏まえた定量的議論は不十分である。本研究では、陸域モデルでシミュレートされたフラックス場を用いて、サンプリング(観測)点数と広域推定の信頼度との関係を調べた。それに基づいて観測ネットワークの高度化に関する議論を行いたい。
2013年4月23日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:平春 ハブラー(国立環境研究所)
タイトル:ALOS/PALSARデータを用いた森林バイオマスのマッピング手法の検討
概要:ALOS/PALSARデータを用いて、ボルネオ島における森林地上バイオマスマップを作成している。PALSARデータから森林と非森林マップを作成し、森林地域での後方散乱係数と地上バイオマスの関係を調べている。今回の発表では,この進捗状況の報告を行う。
2013年4月16日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:小林高士(JAXA 先進衛星技術開発室)
タイトル:JAXA植生ライダーミッション(MOLI)検討状況の報告
概要:宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、高精度樹冠高測定による全球規模での陸域炭素量推定精度向上を目的とした植生ライダーミッション(MOLI)の検討を行っている。MOLIは約50mのフットプリントを2×2の4分割で受光し、地盤面傾斜の情報取得等により高精度(約3m)の樹冠高測定を実現する。またマルチバンドイメージャ(G,R,IR)を同時搭載する計画である。発表では、ミッション要求、基本仕様案、プロダクト案等、現在までのMOLI検討状況の概要を報告する。
2013年4月9日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:平田竜一(国立環境研究所)
タイトル:北海道の森林資源地図の整備
概要:土地利用・土地利用変化などの基本的な森林資源情報は炭素収支の面的評価の精度に大きな影響を及ぼす。特に撹乱に関する情報はモデルによる炭素収支の結果に大きな影響を与えるにも関わらず、これまでほとんど考慮される事はなかった。そこで、今回、インベントリ情報から北海道の撹乱マップを作成したのでその紹介を行う。また、付随して作成した現存の土地利用マップおよび潜在植生マップについても紹介する。
2013年4月2日 17:30-19:00
会場:国立環境研究所 地球温暖化研究棟1F会議室1
発表者:奈佐原顕郎(筑波大・JAXA/EORC)
タイトル:JAXA/EORC生態系研究グループのこれまでと今後
概要:JAXA地球観測研究センター(EORC)は, 2007年に生態系研究グループを発足させ, 衛星による地球観測を生態系研究に役立たせるべく活動して来た。この発表では、その過去5年間の成果(PAR・日射・土地被覆・J連携等)と、今後の展望を議論する。
2013年3月26日
日本森林学会第124回大会に合流
2013年3月19日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:Tana Qian(国立環境研究所)
タイトル:Land cover changes in Inner Mongolia of China- Classification in surface coal mining area -
概要:Coal mining and mining-based industry resulted in accelerated degradation and desertification of grasslands in Holingol city, Inner Mongolia autonomous region over the last three decades. In this study, we used the subspace and method to perform land-cover classification schemes to Landsat archive images from 1978, 1988, 1999, and 2011. Then, the grid square method was used to investigate the spatial -temporal land-cover changes over the period of 1978-2011. The results showed that both coal mining area and urban area are increased dramatically. This expansion was accompanied by considerable loss of areas of grassland and wetland. Grid-cell-based correlation analysis showed that mining area expansion has a significant negative correlation with the grassland change (-0.40), while that mining area expansion was positive correlated with urban/bare expansion (0.38).
2013年3月12日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:Yudi SETIAWAN (University of Tsukuba)
タイトル:Change Detection on Land-Use and Land-Cover Dynamics from MODIS Time-Series Imagery
概要:The monitoring of land surface and its seasonal changes continuously allows a characterization of the vegetation dynamics, in which is commonly represented by the vegetation indices, either the normalized difference vegetation index (NDVI) or the enhanced vegetation index (EVI). A simultaneous analysis of land surface attributes and their seasonal changes provides broader views of land use and land cover change. The result shows that on a regional scale, approximately 50%-60% of change patterns could be affected by temporary changes of land cover (seasonal/gradual change). These changes of the temporal vegetation pattern were detected related to the climate variability, which caused an extreme dry season in 2002, 2005 and 2006. In several land use types, which were not significantly affected by climate variability such as forest and paddy rice with sufficient irrigation systems, accuracy was satisfactory.
2013年3月5日
日本生態学会第60回大会に合流
2013年2月26日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室(予定)
発表者:井手玲子(国立環境研究所)
タイトル:デジタルカメラの画像解析による高山生態系の融雪と植生フェノロジーの把握
概要:極めて厳しい環境条件に存在する高山帯では、気候変動による生態系への影響が危惧され、高山生態系において重要な要因である積雪・融雪過程や植生のフェノロジーを高い時空間解像度で把握することが必要とされている。そこで、北アルプスの山小屋に設置したデジタルカメラによる数年分の定点撮影画像を用いて、高精度のモニタリング手法の検討を行った。各画素のRGB三原色のデジタルカウント値をもとに、統計的手法により積雪画素と非積雪画素に判別し融雪過程を定量的に示した。同時に、植生フェノロジーを反映する指標値(GR:Green Ratio)の季節変化を画素ごとに算出し、生育開始・終了時期を個体~群落レベルで把握した。同様の方法を森林植生において適用した例も紹介する。
2013年2月19日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:秋津朋子(筑波大学)
タイトル:日射に対するPAR比の実測と大気放射モデルRstar6bとの比較
概要:全天日射における光合成有効放射のエネルギー比(PAR比)の正確な測定とその性質の解明は,生態系物質生産の推定や炭素循環モデルなどで必要とされている.近年の衛星リモートセンシングにおいては,誤差数%という高精度で地上PARの推定が行われているが,地上観測においては,PARの測定方法や定義によって様々なPAR比が報告されている.これまでの精密PAR測定による研究でPAR比の性質が解明されつつあるが、今回は年変動の原因について検討をした。実測値と大気放射モデルRstar6bとの比較を行なうことにより、PAR比の変動要因について検討する.
2013年2月12日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:斎藤琢(岐阜大学流域圏科学研究センター)
タイトル:林床ササ群落を有する冷温帯落葉広葉樹林における炭素収支に対する 気候変動影響評価
概要:気候変動が森林生態系炭素収支に及ぼす影響を検討することは,森林生態 系機能の維持管理や大気への二酸化炭素フィードバックを評価する上で喫緊の課 題である。冷温帯地域に優占する林床ササ群落を有する落葉広葉樹林では,落葉 広葉樹林の生育期間と林床ササ群落の光合成可能期間が生態系全体の炭素循環の 季節変化に大きな影響を与えることが予想される。このため,温暖化が進行する 気候変動下において,該当する生態系の炭素収支を知るためには,温暖化による 落葉広葉樹林の生育期間延長や融雪・降雪時期の変化による林床ササ群落の光合 成可能期間の延長が森林生態系炭素収支にどのような影響を与えるのかを評価す ることが重要となる。本研究では,林床ササ群落を有する冷温帯落葉広葉樹林 (AsiaFlux TKY site; 36º08’N, 137º25’E, 1420 m a.s.l.)を対象として, (1)デジタルカメラ画像による落葉広葉樹群落フェノロジーと気温データを用 いた群落フェノロジーモデルの構築(2)観測値に基づいた生態系モデル(改良 版NCAR/LSM)の検証・最適化,(3)CMIP3 Multi-Climate Modelsを用いた落葉 広葉樹林の生育期間・林床ササ群落の光合成可能期間および炭素収支の将来予 測,を有機的に組み合わせ,温暖化の影響によって変化した落葉広葉樹林および 林床ササ群落の群落フェノロジーが、個々の生態系および森林生態系全体の炭素 収支に与える影響について報告する。
2013年2月5日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:水落裕樹(筑波大学)
タイトル:ナミビア湛水域抽出のための指標の再検討
概要:これまで私はナミビアの湛水域抽出のために、MODISデータから算出したNDWI(正規化水指数)を用いてきましたが、より精度をあげるために指標を改良し再解析を行っております。今回は指標をどのように再定義したのかということと、得られた成果について、可能な限りお伝えしたいと思います。
発表者:山崎一磨(筑波大学)
タイトル: 地上3Dレーザースキャナを用いた森林における地上バイオマスの推定
概要: 2012年9月25日,および10月31日に同様のテーマで発表させていただきました。その後の進捗状況を発表します。2012年5月に筑波大学菅平高原実験センターのアカマツ林にて地上3Dレーザースキャナを用いた計測が行われた。レーザー計測のデータからアカマツの幹材積を算出し,バイオマス拡大係数・乾重量密度をかけて地上部の乾重量を推定した。また,比較を行うため,現地で用いられているアロメトリー式と毎木調査から得られたDBHを用いて地上部の乾重量を推定した。前者から推定された地上バイオマスは1654.2 t/ha,後者から推定された地上バイオマスは1852.6 t/haとなった。
2013年1月29日 17:30-19:00
GCOM-C PI workshopに合流。
2013年1月22日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:野田響(筑波大学)
タイトル:GCOM-Cプロジェクトにおける地上観測データ収集
概要:JAXAの新規地球観測衛星GCOM-Cでは,モデルの入力値や初期値,あるいはアルゴリスムの検証のために,葉面積指数や地上バイオマスなどの地上観測データを必要としており,JaLTER,JapanFlux,PENが乗り入れている8サイトからデータを収集している。しかし,これらのデータは,各サイトで,それぞれ独自に観測されており,観測方法や観測のタイミングなどが様々に異なっている。今回の発表では,発表者が取り組んでいるGCOM-Cプロジェクトでの地上データ収集の現状を報告するとともに,課題について議論を行いたい。その他,発表者が現在取り組んでいる個葉の分光特性のデータペーパーについて,進捗状況の報告を行う。
2013年1月15日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:村上和隆(筑波大学)
タイトル:収穫期の水田における群落反射率へ与える稲穂の影響とその重要性
概要:放射伝達モデルを用いて群落反射率を正確に再現することは、LAI推定だけではなく様々な面において重要である。森林においては、花や果実などが群落反射率に与える影響がさほど大きくはないが、イネなどの草本植物においては非常に大きな影響を及ぼすことが考えられる。そこで、本研究では収穫期前の真瀬水田での分光データを入力データとして放射伝達モデル(SAILモデル)から群落反射率をシミュレーションした。その結果、稲穂を考慮することでのみ正確な水田の群落反射率を推定できることがわかった。以上の内容で論文投稿を計画しておりますので、多くの方々のご意見・ご感想を当日聞かせていただければと思います。
概要:
2013年1月8日 17:30-19:00
会場:JAXA 筑波宇宙センター 総合開発推進棟2F小会議室
発表者:水落裕樹(筑波大学)
タイトル:補完されたMODIS/ NDWIマップから湛水域を推定する手法について
概要:私の卒業研究であるナミビアの水環境解析について、これまで主に、MODISデータから算出したNDWI(正規化水指数)マップをマイクロ波センサであるAMSR-Eで補完する手法に焦点をあててお話ししてきました。今回は補完済みのMODIS/NDWIマップを用いて湛水域をどう定義し、また最終的に湛水域の挙動をどのように議論するか等について発表させていただきます。