【問】卒業研究には1週間でどれくらい時間を割くべきなのでしょうか?
[答]大前提を間違えています。卒業研究以外にどれだけ時間を割かれてしまうのか、と考えないと、おそらく時間が足りません。
まずは真っ当に〈学生の本分は学業ですので、学業に割くべき時間帯は、すべて学業に費やすべきです〉とお答えしておきましょう。そもそも大学の標準カリキュラムでは、4回生は卒業研究に関わる科目のみに取り掛かるよう設定されています。その他の就活向け科目なんてのもありますが、あれはあくまでオプションです。それ以外の科目が4回生に開講されていないのは、未履修の科目を再履修するためでも、ましてや就職活動のためでも、ありません。標準カリキュラムにおける4回生を、卒業研究というプロジェクトに専念させるためです。
さらに前提を。「割くべき時間」とはいえ、小学生レベルが1時間でこなす作業と、高校生レベルが1時間でこなす作業を、同列にはできません。当然ながら〈大学生として想定されるレベル〉で、時間を考える必要があります。この〈大学生として想定されるレベル〉が中々ピンと来ないとは思います。少なくとも諸君の実態、ありのままの姿では、ありません。一番分かりやすいのは、指導教員に面と向かって「私は、先生の考える〈大学生として想定されるレベル〉でしょうか?」と尋ねることです。念のため「これからの卒業研究を円滑に進めたいので、たとえ私に対する否定的見解でも、ぜひ正直に教えてください」と付け加えておきましょう。諸君に対し教員が躊躇なくイエスと即答する以外は、教員は諸君のことを問題アリと考えている可能性がきわめて高いです。諸君自身に対する諸君の自己評価と、諸君に対する教員の評価の、両者の認識ギャップを埋める作業を済ませた上でなければ、実のところ時間の計算は無意味です(この認識ギャップを埋める作業どころか、教員に尋ねることも面倒くさいのであれば、私が回答する必要性は、そもそもありません)。
いずれの場合であれ、良質な睡眠をきちんと確保し、健康で多少無理ができる身体の調子を維持するのも、卒業研究プロジェクトを遂行するためには必要条件です。なので「徹夜した結果、調子を崩した」のでは、本末転倒になります。