縦に深める(2)〜下位層〜
縦に深める(2)〜下位層〜
「わからない人は、教えてもらいましょう」というだけでは浅い学びになってしまうということを今度は「教えてもらう側」から見てみましょう。問題を解いてみて、わからないところがあった。その後すぐに「教えてもらう」にいってしまえば、結局他力本願な学びから脱することはできません。けテぶれで目指すのは自立した学習者。そのために、教師が手取り足取りやってあげることを廃して、自分で自分の学びを進められるように環境を整備しているのに、わからない問題に出会えばすぐに友達に手取り足取り教えてもらっているだけでは、その子にとって「ただ口を開けていれば情報が入ってくる」という状況は何も変わらないのです。情報を入れてくれるひとが先生から、友達に変わっただけです。
だから「教えてもらう」という選択をする前には「自分で分析練習」→「友達と分析練習」という段階を踏みましょう、ということがこのマップには示されています。「友達と分析練習」とは別の言い方をすると、「わからない者同士で相談する」ということです。協力関係とは何も「わかっている者がわからない者をサポートする」という関係だけでは無いはずです。「わからない者同士で相談する」という関わり合いは、想像以上に豊かな学び合いの姿を見せてくれます。でもこれも考えてみれば当然ですよね。クイズ番組は、わからない問題を一緒に見て、一緒に考えるから楽しいのです。でも一緒に考えてもわからないこともありますよね。その時初めて、教えてもらおうとするのです。