横に広げる
横に広げる
「横に広げる」とは、自分でどんどん学習をすすめるということです。どこまで進めてよいかといえば、「どこまでも」です。次の単元のことを勉強してもいいし、次の学年のことを勉強してもいい。違う教科の勉強をしてもいい。教室には中学入試の問題集をおいておき、小学校の学習内容を使って挑める国内最高レベルの問題にも触れられるようにしています。どこまでもいっていい。学ぶことって自由ですからね。思う存分やればいいんです。学びの海は横に横に、どこまでも広がっています。
こういうことを許可すると、お勉強がよくできる子は得意になってガンガン問題を問いていきます。特に塾に行っている子なんかは、先の単元までもう習っていたりしますから、どんどん進み始めます。全く問題ないのですが、指導者としては少し違和感もありますよね。うーんそれだけでいいのかなぁ?と。なんだか薄っぺらい学びになってしまっていないかなぁと。そこで「けテぶれマップ」の出番です。
「横に広げる」という学習はけテぶれマップの左上、「やってみる⇄できる」をひたすら繰り返している状態です。間違えたときは分析練習をしている場合もありますが、マップ全体で見るとかなり狭い範囲をぐるぐるしているだけですよね。横に広げて学習をしているとき、自分の学びは「深まっていない」し、探求的な課題に行かずひたすら習得的な課題にのみアプローチしているという意味で「広がり」も薄いのです。けテぶれマップを見ればそれがわかるわけですね。
一回の活動でこのような気付きに至るわけではありません。今日の学びで自分はどこにいたのだろう。と、毎日、毎授業振り返り、けテぶれマップに目をやると、いつも同じところにしか自分を見つけられない。そういうことを繰り返す中で初めて、学びを深められていない自分を認識し、受け止めることができるのです。ただ一方的に教師が「君はここだよ!」というだけではだめなのですね。(反対に教師から何のフィード・バックも無いのもまた問題です。自己評価と他者評価は両輪で。)
さらにマップを見てわかることはそれだけではありません。マップを見れば、自分が狭い範囲の中でしか学習活動ができていないと気づくと同時に、では他にどんな選択肢があるのか、という情報も得ることができます。自分の学びが深まっていない、と気づけば現在位置からマップを縦方向にたどると、深めるにはどういう活動をすればよいのかが明示されているわけです。