書く(話す)領域に関する効果
さらに、子どもたちの回答は読む(きく)領域をこえ、書く(話す)領域にまで及んでいることがわかる。QNKSにおける読解活動は、ただ読むだけでなく各過程で表象した理解モデルをノートに外化しながら行わせ、最終的にその理解内容を文章として表出させるという指導上の特徴があるため、実際の指導場面では、この流れを文章産出に当てはめて活用できる児童も見られたのである。
実際に、QNKSが定義する「問いをもとに、情報を集め、組み立て、最終的な理解として整理していく」という文章理解過程は、フラワーなどが明らかにしている文章産出過程とも非常によく似ている。
以上、子どもたちのアンケートからはQNKSは子どもたちの自力読解過程を促進するという結果のみならず、文章産出過程にも影響があることが示された。