文章指導が容易になった
教室内で「QNKS」という共通言語ができたことによって、文章の指導がとてもしやすくなった。今までは文章を書ききったあとでしか指導ができなかったのだが、QNKSがあると、「K」の段階、つまり文章構成図を各段階で指導をすることができる。構造的な指導は文章を書ききった後だと、文章を大幅に消したり書き直したりする必要があるため子どもたちも嫌がるのだが、本文を書かないKの段階で一度指導を入れることで構造的なフィードバックと推敲が非常にしやすくなった。
また、なかなか書き始められない子には「とりあえずNをしてみよう」とすることで書くべき情報が集まり、書き始めることができたり、推敲が苦手ですぐに書き終わってしまう子に対しては、自分の文章の「K」をもう一度書いてみて、と促すことで自分の文章構造に意識的にならせられたり、と幅広い段階の子どもたちへの指導にとても役立った。この種の有効性は、子供同士で支援や質問、交流などをするときにも現れており、子どもたちの中でQNKSという言葉を共通言語としてやり取りしている様子がよく見られた。
また、各過程が図的表現としてノートに外化されていることで躓いている子がどこでどのように躓いているのかが一目瞭然となり、教師としての指導や子どもたち同士のかかわり合いに非常に役に立った。