授業前にはもう「けテぶれシート」が配られている状態を作る。
分析思考は、量が質を生みます。たくさん自分について考えることで、深く自分について考えられるようになってくるのです。つまり、けテぶれシートは「継続的な運用」が大切だと言うことです。そのためのコツは、「配る教科を決め、その教科が始まるときにはすでに机の上にシートが配られている、という状況を安定的に作ること」です。
こういうシートは子供にとって”めんどくさい”という意識を生むものです。そのシートが昨日は配られて、今日は配られない、といった状況は配られたときの「めんどくさい」という感情を刺激します。だから「いつも配られるもの」という意識で取り組みたいところです。しかし、毎授業配るとなると、今度は指導者のほうがその評価に追われることになってしまいます。このシートは子どもたちが書けば教師が集めて評価をします。全授業で活用するとなると、その日に見なければならないシートは100枚を越え、非常に大変です。慣れてくればそういうことも可能ですが(実際に僕は、国語、社会、算数、と後述する”生活版”でシートを活用していたため、放課後に僕が観るべきシートは毎日100枚を越えていました)始めからそれでは先生の方がなかなか続かないと思います。
おすすめは、教科を絞ることです。「この教科では必ずシートが配られる」とすれば、子どもたちの中で習慣化されやすく、継続しやすいのではないでしょうか。一方、1日おきに書くとか、○曜日は書く、と日毎に使ったり使わなかったりすると、運用がややこしく子どもたちの「分析思考」も、ある日の算数では分析して、別の日の算数では分析しない、など思考の連続性が途切れてしまうことが想定されるためあまりおすすめしません。
シートを配るかかりを決めることもおすすめです。習慣化を阻む要因の一つが「配り忘れ」です。これが続くと、もう書くのが面倒くさくなってきてしまいます。だから、係を決めて授業が始まるときには必ずこのシートが机の上に配られている状態を作ることが大切です。また、授業が始まってから教師が配るのは授業時間のロスにつながるので、それを防ぐ上でも効果的ですね。配る教科を決め、その教科が始まるときにはすでに机の上にシートが配られている、という状況を安定的に作ることが、継続的な取り組みのコツだと思います。