授業と宿題が接続され、予習復習がしやすくなる
その主体性の現れとして、2章でも指摘したが、授業の予習や復習をとても積極的にやるようになったということが挙げられる。コレも当然といえば当然で、「教科書は先生のレクチャーのもとで読むもの」という認識のもとで学習をしていれば当然、先生がいない場では教科書を読もうともしないが、「教科書は自分で読むもの」という意識とそれを確実に支える知識(QNKS)があれば、子どもたちは自分で教科書を読もうとするのである。そこに家庭学習では好きなことを学習できるという宿題領域の自由度があれば、多くの子供達がその場を活用し、自力読解に挑戦するようになる。授業で自力読解が思うようにできなかった児童は家に帰って再度挑戦しようとするし、自力読解が楽しくなってきたり、もっと読解力をつけようと思ったりした児童は、未習範囲の読解に挑む。このような姿が多く見られた。その結果として、宿題と授業の境界線が曖昧になり、家と学校という場の特性の違いに応じて学び方を変えるといった工夫をする児童も見られるようになった。