形成的評価
QNKSで文章理解をしたあとは、その単元の知識定着のタームに入る。
QNKSを使って子どもたちが自分で読み、自分で考えられるようになると、基本的な学習の進行はすべて子どもたちに任せることができるようになります。しかしそれは「子どもたちは自分でその単元の学びを十分に充実させることができる」ことを決して意味しません。
子どもたちは自分で学習をすすめる中で、勘違いもしますし、大切な知識を見過ごすこともあります。自己学習の入門期なので当たり前です。大切なのは、これを防ぐために手取り足取り指導するのではなく、自分でこれに気付けるようなシステムを作ることだと思っています。
一言で言えば「形成的評価」。簡単にいえば「小テスト」です。 最も単純なのが、「一問一答形式の用語暗記テスト」。これは理解の深度は浅いものの、学習の取っ掛かりとしては非常に入りやすく、どの子も自己学習に取り組みやすい。かつ、学びを深めるにあたっても、基本的な用語がその大まかな意味とともに瞬間的に再生できる状態になっておくことは非常に重要である。語の定着もままならないまま、深い問いを投げつけたところで、その問いに答えを出すために必要な概念や情報をいちいち調べていたのでは思考のスピードは上がらず、結果として深まらない。まずは単純暗記から。一年の内、時間のあるときに全単元の一問一答テストを作っておけば良い。
次に考えられるのが、「意味理解を問う筆記テスト」。これは一問一答テストの問いと答えを反転させればすぐに作成可能である。始めは用語を隠して、意味から用語を答える練習。その後は、意味を隠して、用語から意味を答える練習。これだけで良い。
単元進行に合わせて、このような内容の形成的テストを頻繁に行う。現在位置と目標位置の距離を確認させるため。
そしてここで強調するのは、学校で行うこのテストこそ、自分で自分に課す事ができるだろう!?とうこと。こんなこと全員の時間を撮ってやる必要は本当はない。むだ。だってこの範囲の内容ならもうできるという子もいるよね。逆にこの範囲の前にまだまだやらなきゃいけないことが残っている子もいるよね。ということ。自分に最適な範囲は自分で選択してやるのが最も効率的。こんな全員を止めて同じ所をやるなんて無駄な時間はできるだけ減らしていこう。という語り。
このことに気づくために、全員で体験をする。次に手放す足場掛けとしては、テストの時間だけを設定するというもの。やる内容はそれぞれ自分で決めるが、その時間、必ずテストを行い、結果を記録すること。コレを課す。