子どもたちの主体性が引き出される
教科書を自分で読むための知識を紹介し、場を作るということは、子どもたち一人ひとりを“教科書を読む主体”とすることを意味する。この構造が文字通り、子どもたちの「主体性」を強く刺激する。今まで制限され、自分のコントロール下になかった教科書の文章がQNKSという言葉を得ることで、自分で編集し、噛砕き、理解していける対象となるのである。これで本稿の問題意識で指摘した「教科書は先生と読むものであり、自分で読み進めてはいけない」という暗黙の文化を消し去ることができる。そしてこの状況は子どもたちにとって非常にやりがいのある状況となっていたように感じる。確かに導入初期は根本的な考え方の転換に戸惑う子も見られたが、継続的に取り組むことでおおくの児童が学習のコントローラーを受け取り、自分で読む、という姿勢を身につけられていたように感じる。