けテぶれマップとは
けテぶれマップとは
けテぶれマップとはその名の通り「学びの地図」です。学びの世界は地図もなしに歩き回るにはあまりにも広い。逆に言えば、学びの地図さえあれば子どもたちは学びの世界を縦横無尽に冒険することができます。
詳しい説明に移る前に、まず概観しておきましょう。はじめに「左のノートにまとめる」から見てください。これは文字通り。先生の解説を聞いたり、自分で教科書を読んだりして、ポイントをノートにまとめる、ということです。(キーカードについてはP○で詳しく紹介します)単元のはじめに簡単に学習内容をレクチャーするのなら、そのポイントをノートにまとめさせますよね。それを示しているのがこの左のバーです。それが終われば、あとは矢印をたどれば学習の選択肢の広がりがわかるかと思います。ノートにポイントをまとめれば、次にやるべきことは「やってみる」ですね。全問正解なら「解ける」になるし、間違えた問題が在るのなら「分析、練習」です。この流れは「けテぶれ」そのものですね。宿題におけるけテぶれではここで終わりですが、授業では友達がいます。つまり。分析練習してそれでもわからないところがあれば、更にその下、友達と協力するという選択肢があるわけです。「解ける」に行けた子たちも、その後すぐに「教えてあげる」に行くのではなく、自分の理解が本当にあっているのかを確かめるというステップを踏めるようにしています。こういう仕組みの必要性はこのあと詳しく述べていきます。
最後に地図の右列を見てください。ここには「みんプリ」や「気になる木」「QNKS」など、聞き慣れないコトバが並んでいますが、簡単に言うと「探究的な活動」です。この地図は右に行けば行くほど活動が探究的な性格を帯びます。逆に左に行けば行くほど習得的な活動となります。また、この表の上2列は「個人でできる活動」であり、下の2列は「他者がいて初めて成り立つ活動」になっています。こうして、学習活動の属性を分類しつつ、それぞれの関係性を踏まえつつ図化することで、その図には「学びの地図」としての機能が現れます。
これがあれば子どもたちはたくさんある学びの選択肢の中で、自分は今何をやっていて、それが全体構造の中のどこに位置し、この先どのように展開させられる可能性があるのか、ということがひと目で分かるわけです。よく単元マップというものを作りますよね。あれは単元の中で自分は今どこを学んでいるのかを自覚させるためにつくる「学習内容の地図」です。でも本書で提案しているような「学習方法」すら自由に選択できる学びの場では、「学習方法の地図」も必要になります。そしてこれは一度作れば、全教科全授業に適用できますので、単元が変わるたびに作り直す必要もありませんし、子どもたちにとってもそれだけ意識するタイミングが増えるため、身体化しやすいというメリットもあります。僕はこれを4月の教室準備の時点で黒板の上に張り、1年間、剥がしません。そして授業のフィード・バックにこの地図を使います。子どもたちに自分の学習活動を振り返らせる時にもこの「けテぶれマップ」を指しながら「今日はどこにいた?」と聞くだけで、観点を持って振り返ることができますし、慣れてくれば一時間の始めや、単元の導入時に「どういうルートで勉強しようと思う?」と聞けば活動の見通しをもたせることもできます。
一見たくさんの情報が複雑に絡み合い、どう見たらいいのかわからないという印象を受けるかも知れませんが、この地図を1年間意識し、その中に自分を見つけ続けることによって、このけテぶれマップについての理解を深めていきます。
それでは順番に説明していきましょう。この地図を見るときの合言葉は「横に広げる」と「縦に深める」です。