けテぶれシートの使い方
①活動のはじめに「計画(その時間に何をやろうと思うか)」を書く
ここに書くのは、その時間に何をやろうと思っているのかという内容です。意識すべきは「目標と現在位置の関係」つまり、後何時間でどんな姿になっているべきなのかということです。これを意識すれば、その時間に何をどのくらいやればいいのかという判断ができます。始めは文章や、箇条書きでOKです。なれてくるとフローチャートのような計画を立てたり、チェックシートにしたり、と様々に工夫が見られるようになります。所要時間の目安は5分ほどがいいでしょう。計画よりも大切なのは、もちろん活動そのものですので、よりよく活動するための計画に時間を取りすぎて活動時間が減ってしまっては本末転倒です。さっと見通しをつけて動き出せるようにしましょう。計画が書き終われば、すぐに学習開始です。
②活動のおわりに「けテぶれシート」を使って活動を振り返る。
全面的に自由な学習空間において、学習内容、学習方法を自分で選択し、実行したのなら、その”結果”がどうだったのか、を振り返る時間を設定することが必要不可欠です。自由な行動だけを許し、その結果を受け取らせられないのなら、その空間は身勝手で自分本意な行動で溢れてしまいます。行動をしたのなら”結果”と共にその行動の質を振り返り、判断することをして初めて、次の行動が、自分を進める一歩となるのです。子どもたちは、自分の行動の責任を自分で受け取る。教師は、子どもたちに行動の責任を受け取らせる責任を追うのです。その責任の一つが子どもたちが自分の行動の価値や影響を正しく受け取り、しっかりと次の行動に結び付けられるような環境や手立てを用意してやることだと思っています。つまり、そういう思考を働かせられるような手立てを講じず、ただ「振り返りなさい」と言うだけでは、それは教師の責任放棄だと言うことです。次のページでは「けテぶれシート」がどのように子どもたちの内省思考を促すかということについて説明していきます。
③早く書き終わっても、すぐに提出しない
振り返りの時間は、10分程度とるようにします。授業終了の10分前には必ず全員が着席し、シートを書き始める、というルールを徹底することが大切です。
そうやって全員一斉に振り返りを始めますが、当然早く書き終わる子も出てきますよね。そういう子には、すぐに提出するのではなく、早く書き終わった友達同士で見せあいを勧めます。見せあいは誰とやってもいいのですが、もしその時間に一緒に勉強をしていた友達が書き終わっているのなら、その友達と見せあいをすることが有効です。なぜならその友達と自分は同じ学習行動をしていたので、同じ対象を自分とは違う分析するとどうなるのか、という例に出会うことができるからです。ここで子どもたちは同じ経験をしても、受け取り方が違うということを学びます。これは自己省察を深める上で大切な視点ですね。いわゆる多角的な視点というものにリアルに触れることができるのです。