アンパック演算子

Python3.5で、 *イテラブルアンパッキング演算子と **辞書アンパッキング演算子の利用方法が拡張されました(PEP448 - Additional Unpacking Generalizations)。　

code: 0237_unpack.py

def myfunc(x, y, z):

print(x, y, z)

tuple_data = (1, 0, 1)

dict_data = {'x': 1, 'y': 0, 'z': 1}

dict_data = dict( x=1, y=0, z=1)

myfunc(*tuple_data) # myfunc(1, 0, 1)

myfunc(**dict_data) # myfunc(x=1, y=0, z=1)

これにより、辞書型のデータ連結が簡潔に記述できるようになりました。

とはいえ、互換性に問題があるので注意が必要です。

辞書データの連結処理のコーディングを見比べてみましょう。

辞書アンパッキング演算子を使った辞書データの連結

辞書アンパッキング演算子を使うと非常に簡潔に記述できます。ただし、動作するPythonがバージョン3.5以降であることが条件となります。

code: 0238_dict_marge_with_unpack.py

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = {**x, **y}

print(z)

ラムダ式を使った辞書データの連結

ラムダ式を２重にする必要があるため読みづらくなります。

code: 0239_dict_marge_with_lambda.py

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = (lambda a, b: (lambda aa: aa.update(b) or aa)(a.copy()))(x, y)

print(z)

辞書内包表記を使った辞書データの連結

for を２重にする必要があるため読みづらくなります。

code: 0240_dict_marge_with_comprehension.py

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = {i:di for d in x,y for i in d}

print(z)

辞書オブジェクトからデータを取り出して連結

辞書オブジェクトのitems() メソッドは Python3からリストオブジェクトではなくdict_itemsオブジェクトを返すようになっているため、list() で処理する必要があります。

code: 0241_dict_marge_with_list.py

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = dict(list(x.items()) + list(y.items()))

print(z)

集合演算子を使って辞書型データを連結

集合演算子の和集合(|) を使うと list() で処理する必要がなくなります。

code: 0242_dict_marge_with_set_operator.py

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = dict(x.items() | y.items())

print(z)

chain関数を使った辞書データの連結

itertools.chain を使うと、list() を省くことができます。

code: 0243_dict_merge_with_intertools_chain.py

from itertools import chain

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = dict(chain(x.items(), y.items()))

print(z)

ChainMap関数を使った辞書データの連結

実際には、collections.ChainMap は辞書型オブジェクトを返さないのですが、これを使うと複数の辞書データを１つの変数名でアクセスできるようになります。

code: 0244_dict_merge_with_collection_chainmap.py

from collections import ChainMap

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = ChainMap({}, x, y)

print(z)

print(z'a')

print(z'c')

ChainMap()が返すオブジェクトを、辞書型オブジェクトとして扱いたい場合は、次のようにdict() で処理します。

code: 0245_dict_merge_with_collection_chainmap.py

from collections import ChainMap

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = dict(ChainMap(x, y))

print(z)

辞書オブジェクトのメソッドを使った辞書データの連結

辞書オブジェクトの copy()とupdate()メソッドを使う方法です。

この方法は最も互換性に問題がなくて、処理内容もわかりやすいものになります。

code: 0246_dict_merge_with_copy_update.py

x = {'a':1, 'b':2}

y = {'c':3, 'd':4}

z = x.copy() # z=dict() ; z.update(x) と同じ

z.update(y)

print(z)

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