スコープの空中分解
プロジェクトにおいてスコープ定義ほど重要なテーマもない
同時に、プロジェクトにおいて、スコープ定義ほど難しい問題もない
スコープとはなにか:
その取り組みがどのような範囲を射程に収めるのか
その取り組みに関わる人々が、どのようは範囲に責任を持つのか
つまり:取引における責任範囲のことである
もっとも単純なスコープの見方とは
一対一の関係で、ごく単純な業務や成果物の委託の場合
甲には協力義務があり、乙にはPM義務がある
その線引きが、スコープ分解の基準である
実践的には
甲に対して乙A、乙B、乙C…と、複数のベンダーが連合体を形成することも多い
並列的に複数の受託者がいる状態を、マルチベンダーと呼ぶ
甲、乙、丙、丁、と、直列的に受託者がならぶこともある
これは、多重下請けというやつである
こうしたとき
誰が、どこまで、どのように責任を持つのか
これを明確にせずに事を進めて、うまくいけば良いのだが
問題が起きると、かなりややこしいことになる
難しいのは
最初から明確にすればうまくいくわけでもない
そもそも明確にできるかというと、怪しいところがある
明確にしようとして、ややこしくなることもある
うまくいくための条件とは
関わる各プレイヤーが、その立場のプロフェッショナルであること
類似の案件の事例が豊富で、どこが難しいかを予測しやすいこと
こういうときは、オーソドックスに、きちんと見積り、交渉、契約を進めていくのが吉である
問題は
そういう条件が揃うことが、あまりに少ないということ
なぜ、そういう条件が揃わないのか、という環境条件を以下に図示する
例① スコープの伸縮問題
https://gyazo.com/a4ec3a313ada0dda7aa4a347b0eef575
例② 隙間問題
https://gyazo.com/aa893906eae74739aeee8b18cdc19ac9