「プロジェクト軍学」企画メモ
そもそもプ譜自体が、軍学の元祖「孫子」にヒントを得て考案されたものであることは、「廟算」の文字を借りていることから、誰が見てもわかるようにしている。
しかし、孫子好きのコンサルタントなり知識人というのは山のようにいるわけだが、その大部分が、テキストへの迫り方が甘く、浅い。そして、当然ながら孫子兵法には著作権者という人はいなくて、いつでもどこでも、誰でもアクセスすることができる。
長年、「孫子論」を見かけたら目を通すようにはしていたのだけれども、そのなかで、唯一、文字通り唯一、心の底からびっくりし、感銘を受けたのは兵頭二十八氏の「新訳 孫子―ポスト冷戦時代を勝ち抜く13篇の古典兵法 」であった。
https://gyazo.com/bbf1bf64c63a121dd1134cf7121fa613
本書における最重要の価値は、原文のなかで「故に」のフレーズが出てきたら、それは「カットアンドペースト」の痕跡だ、と、指摘していたことである。つまり、論理構造を示しているのではなく、編集履歴の符丁なのだ、という。
それがわかった瞬間、このテキストの読み方が、まったくもって異なる次元に移行するのである。
このscrapboxでは、軍学の話は、意図して避けていたわけではないけれども、後回しにしていた。そして、そろそろ、語り始めたいなと、思い始めている。