QCDの悪魔
QCDといえば
プロジェクトマネジメントの文脈のみならず、生産工学一般のお馴染みである
そもそもこの言葉の含意は
品質、コスト、納期は互いにトレードオフの関係にある、ということである
つまり、全てが理想通りにはならない、ということだ
よって、心ある人は
QCDの間にある関係性を理解し、優先順位を考える
つまり、なにを大事にして、なにを犠牲にするか、を考える
なぜなら
プロジェクトマネジメントとは、矛盾だらけの現場に、現実解を導く行為であるからだ
しかし、いつからか、なぜだか知らないが、QCDが「検収条件」であり、かつそれは発注者の恣意的な指定によるものだ、という文化が形成されていった
これを、QCDの悪魔と名付けたい
QCDの悪魔に魅入られたプロジェクトは、人間の活力を極限まで吸い尽くす
そこにいる人間が空っぽになっても、QCDの悪魔は困らない
なぜなら、資本と権力の論理は、なんなく次の獲物を見つけるからである