脳は世界を演算している
人間は、世界をリアルタイムに演算している。
なにかあれば、即応できる。
これは、計算の複雑さを考えると、ほんとうにすごいことである。
五感で知覚できる近傍世界
短期的な目標のための身体制御
短期記憶で処理できる意味的世界
より巨視的な世界像
これを同時進行で処理しているのだから、とんでもないことである。
なぜ、それが可能なのか。
世界像の真偽を保留し、過去の経験から類推される「仮の世界像」を相手に思考しているからである。
この、「仮の世界像」は、実に便利だが、実際には誤差が極めて大きい。
誤差が極めて大きくても、なんとなく日常が回っていくのは、それはそれで興味深い現象である。