神権、王権、軍権、民権
国家の政治経済の根拠をどこに置くのか。
農耕の発生依頼、自然の摂理を読み解く人が、その中心に置かれた。
神の声の代理人。
暦の解明。
精霊の声を聞く人。
徐々に、天、という人格神の存在が仮定されるようになった。
天の声を聞き、人間たちに伝える代理人が、人民の指揮系統を握るのが、最も効率が良い、という話になった。
それが機能しているうちはいいが、能力のない人間が天子のポジションにつくと、悲劇が起きる。
そこで、政教分離が起きる。
指揮命令を徹底させるために、法と力が必要となった。しかし、力による支配は、常に腐敗と抑圧を強いるし、いつでも暴走し得る。危なっかしくてしょうがない。
そこで、文官による軍事力の統制、シビリアンコントロールが導入された。
民主主義こそ、政治体制の最適解であるように見えるが、何代も世代交代するなかで、世襲化による新たな身分社会の形成や官僚制の限界、反知性主義などの脅威に直面している。
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出自によらず、飢えたくない、価値観を抑圧されたくない、自分らしくいたい、周囲と調和的に暮らしたい、笑顔で元気にいたい、なにか力を発揮して、誰かの役に立ちたい、ということは、おそらく人類にとって極めて普遍的な願いである。