プロジェクトの歩き方「サガ・エメラルドビヨンド」から
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「サガエメ」が、面白い。
なんとも言えず、面白い。
初見は、わけがわからなすぎて、珍紛漢紛だったが、ある程度仕組みがわかってから、久しぶりの、ゲームにハマる体験となった。
戦いに勝つために、作戦を練る
有限の資源を最大に活用する
例外的な読み筋に気付く
ルールとランダム性のほどよき塩梅
戦いに勝ち、成長する
物語を読み、楽しむ
選択し、介入する
世界観を徐々に理解する
勝てないボスに直面する
アイテムを強化する
能力を強化する
ルーチンを繰り返す、揺蕩う時間
突然の僥倖と興奮
そして徐々に、システムの深部を理解する
RPGの面白さとは、こういうことであろう、と、思う。
これらの快感原則を満たす具体的な仕様は、実は、自由である。みんながみんな、ドラクエみたいでなくともよい。
ヒット作を、仕様の次元で模倣すると、大抵、駄作にしかならない。糸井重里氏の「マザー」シリーズは、まぁ、例外的に、物語の力でそれを突破した稀有な例だけれども。
サガエメは、仕様が全く異なるのに、ゲームそのものの、面白さの本質が、ちゃんと継承されている。それが素晴らしい。
快感原則は、変わらない。
それを楽しむための、仕様を変え続ける。
何よりもまず、制作環境や時代が変わってしまうものである。そのなかで、やりたいこと、できること、すべきこと、諦めざるを得ないこと、色んな要素をときほぐし、仕分けしていかなければならない。
まさに、繰り返しと、やり直し、である。
まぁ、先述の快感原則は、結局のところ、将棋にすでに内在している。サガエメは、言わば、広義の将棋である。将棋の再発明のために、莫大な労力とエネルギーを投じるのは、エコなことだとは言えないが…
物語についていえば、かなりハードコアなSFである。
もしかしたら、作者たちは、これを、ゲームとしてではなく、小説のようなものとして、作ったのかもしれない。
これが小説だとするならば、それは、まごうかたなきアートである。