なんちゃって大剣・改
2021年4月27日より、火曜深夜のVR空間では「サキュバス酒場」というのが開かれている。
配信で度々ちょっかいを出しているバーチャルさんたちも足を運んでいるということもあり、
しぃは毎週のようにJOIN競争に挑んで潜入を試みている、といったところだろうか。
実際のところはそこに通う夢魔たちにとっても
我々「アスキーアート」と言うのはかなり刺さるということで、
我々は精神力を吸い取られる代わりに、夢魔たちから面白い話やネタになりそうな話を持ち帰っているのだ。
…さて、そんな中。
しぃはそこに通う夢魔たちから「あるもの」を頂き、それを口にした結果なのか…。
どういうわけかもともと持っていなかったはずの「念動属性」と「精神デバフ」の素質を得てしまっていたのだ。
その後日には、「あるものが混ぜられたコーラ」を持ち帰ってきており
俺ときつねちゃんに飲ませるという、ぶっつけ本番の人体実験も行い…。
その結果、俺もまた「念動属性」の素質を得てしまったというわけだ。
まあ、結論から言えば新たに身についたスキルは実際のところ、
我々の「削除人活動」においてはかなり役に立っているから、結果オーライである。
それで以降は夢魔たちに相談したり、ナニカサレタり、それ以外の場所でもネタの力を集め、
それらをもとにスキル開発していくのがAAチームの日常と化しており…。
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2021年12月1日(水) 朝
AAチーム会議室にて。
しぃ
「はーい、昨晩はお疲れ様。どうだった?」
つー
「とりあえずは『認知バグ』は…まあ起きたり起きなかったりだったな。」
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認知バグ。
どうもAAチームの場合、人が多い場所で俺がしぃと交代、あるいはしぃが俺と交代すると
周囲の人達の認知から消え、「えっ、消えた!?」と騒がれたり、
そこにいるはずなのにある人の配信画面には写っていなかった、と言った減少があるようで…。
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つー
「まあ、人が多いところでの交代は厳しいのは変わらずだろうがな。…それより。」
しぃ
「どうしたの?」
つー
「ちょっと試したいことがあってな。」
しぃ
「ああ、またナニカサレタのね。」
つー
「まあね。ちょっと『あるもの』が混ぜられたコーラを頂いてな。」
精神を集中させ、包丁の刀身に手をかざす。
すると、擬似的な大剣の刃が包丁に形成され…
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◆疑似大剣
【派生系統】
念動魔法を包丁にまとわせ、擬似的な大剣の刃を形成させる。
「大剣(両手剣)」の物理スキルを習得していく。
つーの「念刃剣技」から派生。
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しぃ
「おお~『なんちゃって大剣』じゃない、使うの久々でしょ?」
つー
「そうだな。プラグアウトしたあとにいろいろ試してたんだが、
念動魔法で形成した場合、電撃魔法を使ったときよりも安定して長持ちするみたいでな。」
しぃ
「ああー…電撃魔法を使ったときは一振りですぐ消えちゃうもんね…。」
つー
「しかしまあ、これで俺も『夢魔の魔力』を取り込んだことになるわけか…(汗」
しぃ
「まあまあまあ、『ネタの力』の一つの可能性としては、
そこまで不便なものではないでしょ?」
つー
「それは御尤もだな、実際これで『かゆいところに手が届く』感じはしているが…。」
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つー
(>今回の探索で確かな手応えを感じた。HPとMPの最大値が上がった。)
◆なんちゃって大剣・改
【物理】【念動】【敵単体】
念動魔法を包丁にまとわせて擬似的な大剣の刃を形成する。
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