現状の傾向についての考察
傾向(「見る」ページ)の現状について、傾向に載りやすい作品の(本来の意味での)傾向を基に考察するページです
本題の前に大前提として、Scratch Teamは傾向の掲載基準を公表していません
なのであくまでこの考察は、僕自身の価値観や僕視点での傾向の見え方を基にしたものになります
https://scrapbox.io/files/67139e33d3b97ddf00a812d6.png
歴の長いベテランScratcherには、長年の経験や知識を武器に高クオリティの作品を作り上げる猛者がいる
そのような人が作り上げた素晴らしい作品でも、傾向に載った「(俗に言う)量産型プラフォ」等に評価を抜かれてしまう
この傾向の現状に対してよく聞く意見が「こんな作品が載っててこの作品が載らないのはおかしい!」というもの
わかる!それすんごいわかるぞ!
頑張って作り上げた作品に目を向けてもらえないのはとてつもなく悲しい!
ただ、今のScratchの利用者層や傾向に載りやすい作品の「傾向」を考えるとそれも仕方ないのかもと思っている
現在のScratchの利用者層は、全利用者1.35億人のうち9~16歳が半数を占めている
小学生中学年から中学生までぐらい。ここではまとめて小中学生という事にします
日本では小中学生にタブレットを配布するプログラミング教育が進んでいる背景もある
学校の休み時間や下校後に、タブレットでScratchの作品をよく遊んでいるという話を耳にします
ちなみに年齢別では12歳のユーザーが最も多く全体の1割も占めている
また、現在の傾向ページに載っている作品を見てみると↓の三つが多くを占める
シンプルな内容のミニゲーム
スコアやタイムを競い、ゲームオーバーになってもすぐにリトライできるもの
1-3語の英単語の形式と「OOOするゲーム」の形式のタイトルでよく見る
アニメ
Scratch Catをアレンジし自作キャラにして出演させるものが流行っている
たまに完全オリジナルでキャラクターを作りアニメーションさせている場合もある
再現系
有名ソシャゲをまねたり、あるいは現実のモノのシュミレーターだったり
小中学生でよく遊ばれるゲームの再現作品がよく傾向に載る
特によくあるのはにゃんこ大戦争とマイクラ、直近ではスイカゲームなど
元となったゲームの知名度ゆえに、まねた作品もまた注目を集めやすい
この三つの作品群はどれもメインの利用者層である小中学生が好む内容の作品
つまり、今の傾向は小中学生が楽しみやすい作品が多く載っていると見ることができる
逆に技術の高さや作品としての完成度の高さに重きを置いているものが傾向に載ることは少ない
これに関しても、小中学生には作品のクオリティそのものよりも気楽に楽しめるかどうかの方が見られがちなのかも
家のパソコンやタブレットですぐ遊べたり、休み時間の短い合間に遊べたり、友だちと遊べたり...
4-5年前なら技術系の作品は現在よりも多く載っていたのだけれど、Scratchにも世代の変化が!?
大まかにまとめると、Scratchの主な利用者層が小中学生に寄ったことで、傾向の内容も小中学生向きのものに大きく変化したのだと僕は思っています
そしてこれを言うと元も子もないが...そもそも作品が傾向に載るかどうかは運も強く絡む
残酷だがフォロワー数や知名度と言った地盤がなければ運要素はなおさら強くなる
そして知名度があろうとも作品が傾向に載るかどうかはまた運なのである
個人的に、前述の作品群はターゲットがメイン利用者層に合っているおかげで運要素を緩和できていると思っている
じゃあ頑張って作り上げた作品が傾向に載らなかったのも運が悪かったから?いくら作品作りを努力しても運で傾向入りが決まるなら意味はない?否。
いくら傾向入りが運頼みであろうとも、その運を引き寄せるための努力はいくらでもできる
作品を高クオリティで作る!そうすれば評価も増える!傾向入り確率アップ!やった!!(小並感)
...とは行かないのが現実だけれど、少なくともデカい情熱を込めた作品はチャンスもデカいです!
傾向の現状を嘆いている方は、全員それなりに歴が長く作品の質も人並み以上に作られる人がほとんどだと思っています
だからこそ、傾向の作品と差別化した複雑な作品も作ることができる
けれど、今のメイン利用者はそれよりも傾向内の見慣れた作品を選びがちなのかな...と思いました