「報告乱用」は乱用されている
原文の執筆者であり、翻訳の許可を与えてくださったJvvgさんに感謝します
結論だけおしえて
「報告乱用」による誤ブロックや作品の共有停止は、皆が思っているよりはるかに起こりにくい
送られた報告は全てScratch Teamが確認しており、正当な理由なく処罰されないようにされている
概要
「報告乱用」はScratchにおいて一種の恐怖をあおる存在となっている
ディスカッションフォーラムではほぼ毎日のように報告乱用に関する質問・提案が投稿されている
Banされた理由が報告乱用であると主張したり、あるいは報告乱用をちらつかせて脅すユーザーも見られている...。
この現状に対して、ここでは報告乱用に対する誤解とその実態について説明しようと思います
Scratch Teamは報告を逐一確認している
プロジェクトが報告されると、その報告はScratch Teamの確認待ちになる
Scratch Teamはそれらを確認し、プロジェクトを削除するべきか、そして作成者に追加の処置を行うかを決定する
報告された内容に問題がないと確認されれば処罰されることはない
自動削除などに関しても、問題がないことが確認されれば処置は自動で取り消される
報告により自動規制されるケースは極めてまれである
複数の人から報告を受けた作品は自動で一時的に非共有にされたり、作成者がブロックされたりする
この機能は実際に存在しているが、いくつかの重要なことが知られていない
Scratch Teamが報告を確認し、何も問題がなければ自動規制は解除される
自動ブロックされる期間は非常に短い(とあるスクリーンショットでは90分と表示されていた)
悪意を持って行われる報告はコミュニティーガイドラインに反することであり、規制の対象となる
過去に報告乱用を行ったユーザーからの報告は自動規制を引き起こさないようになっている
「報告乱用」は乱用されている
「報告乱用でブロックされた」と主張する人のほとんどは混乱しているか嘘をついているかのどちらか
自身の持つべき責任を無視するために「報告乱用」で規制されたと主張したり...
あるいは、自分が報告された理由を理解しようとせずすぐに「報告乱用」に責任転嫁することも
報告の理由を真剣に考えたり「連絡先」で異議申し立てするよりも、「報告乱用」のせいにする方が楽ちんだから...
自動規制ではない全ての処罰は、人間の手によって、明確な理由のもとに行われている
繰り返しになるが 、「報告乱用」を主張する人は自分には非がないと思われるよう嘘をついている
あるいは、規制の理由が本当にわかっていないのかもしれない
そして実際の状況は(アラートを受け取った)本人とScratch Team以外に知るすべはない
関係のない第三者が報告乱用だと言っていてもそれはただのうわさに過ぎないのである
なお、規制を受けた時に送られるアラートには、規制の理由が明確に記されている
なのにそのスクリーンショットを見せながらも条件反射で報告乱用のせいにしているというケースも...
報告乱用はコミュニティーガイドラインに反する行為である
(当たり前だが)報告乱用をしてはならない
報告をほのめかす発言もしてはならない
不適切な作品やコメントは、そのことを伝えずに無言で報告するべき
報告乱用はScratch Teamによって処罰される
Scratch Teamによるコメント(訳注: これらの翻訳は全て非公式であり、実際のSTの意見とは異なる可能性があります)
Miss-use of the project reporting feature is an issue. However, it only impacts a small percentage of Scratchers. Most project reporting is accurate and very helpful in removing inappropriate content. When reporting is abused, the Scratch Team works to identify and take action against the abusers. ” – Paddle2See (出典) プロジェクトの報告機能が間違った形で使われるのは確かに問題です。ただしその影響を受けたScratcherの数は少ない割合に留まっています。ほとんどの報告は正確に行われていて、私たちが不適切なコンテンツを排除することに非常に役立っているのです。報告機能が乱用されたときはScratch Teamが乱用者に対して処置を行います。
First, it's the Scratch Team that must reshare the “mass reported” project; it's not done automatically nor by the project creator. Second, if they do, they have ways of ensuring that it does not get “mass reported” again. So a project will usually only ever get “mass reported” once.”– Za-Chary (出典) まず、「報告乱用された」作品を再共有する権限を持つのはScratch Teamです。再共有は自動では行われませんし、作品の作成者が行えるわけではありません。次に、再共有された作品は再び「報告乱用」によって規制されないようになっています。そのため、プロジェクトが「報告乱用」によって規制されるのは多くの場合で一回のみです。
(訳注: 出典元で、1年半前の僕は何とバカな提案をしていたんでしょうか😒)
“While we're open to suggestions on improving moderation tools, this suggestion is based on something that is already in place for well over a decade (moderators reviewing projects before being taken down). Before making suggestions, please don't make suggestions based on misinformation on how the current moderation tools work.” – cheddargirl (出典) 私たちはモデレーションツールの改善についての提案を歓迎しますが、その一方でこの提案は 10 年以上にわたって運用されている(削除の前にモデレーターがプロジェクトを確認する) 仕組みに対するものです。現在のモデレーションツールの機能についての、誤った情報に基づいて提案を行わないようお願いいたします。
“Indeedy there is [a system to prevent people from creating alternate accounts to get a project taken down due to mass reporting]. Of what may need some constant tweaking is the trigger limit. During COVID the website activity rose by about 6x, and so the older limits were too low. So the limits were adjusted accordingly with reputation metrics attached. But as the website continues to grow, they will likely have to be adjusted again over time. It's a weird game of cat-and-mouse." – cheddargirl (出典) (サブアカウントを使った報告乱用を防ぐシステムは)確かに存在しています。ただ、自動規制の発動条件には継続的な調整の余地があるかもしれません。コロナ渦の影響によりウェブサイト内の活動量は今までの6倍にまで増加したため、以前の条件では自動規制が起きすぎていました。そのため、評判システムの追加に合わせて条件の調整も行っていましたが、コミュニティーが絶えず成長を続けていく中で自動規制に関しても再び調整が必要となっています。この状況はまるでいたちごっこのようです。
“Any time we have a project that has been reported, a moderator will check the project out to see if there is something about the project that doesn't follow the community guidelines. It doesn't matter who is doing the reporting. If the project is fine, and it is determined that the reporter is false reporting - the moderator will take action: either a warning or an account block.” –Paddle2See (出典) プロジェクトの報告を受け取るとモデレーターがそれを確認し、コミュニティーガイドラインに違反する内容が無いかどうかをチェックします。どのような人が報告したかに関わらずです。プロジェクトに問題がなく報告乱用であると認められた場合は、モデレーターが乱用者に対してアラート、ブロックといった処置を行います。
“[Disabling the automatic project censor for projects susceptible to mass reporting is] already possible with the existing feature set.” – Paddle2See (出典) (報告乱用の影響を受けやすい作品に対して自動規制を行わない機能は)現行の機能で既に実装されています。
まとめ (翻訳終わり!)
昨今の日本語コミュニティーでは特に傾向に載った作品が報告乱用で削除されたという主張をよく耳にします
本当に報告乱用によって消されたケースもあるとは思いますが...
...ただ、ほとんどは理由を理解せずに(あるいはしようとせずに)報告乱用を主張しているのかもしれません
もしも作品が報告によって削除されたら条件反射で報告乱用を思い浮かべるのではなく、まずは冷静になり、送られてきたアラートを読むようにするといいでしょう
自分が気づいていないだけで、もしかしたら良くないことをしてしまっているかも
報告乱用を主張することはとても簡単ですが、それで処罰が取り消されることはあり得ません
不適切な内容がないと本当に言い切れるのであれば、連絡先を通してScratch Teamに抗議文を送りましょう
「なんでわざわざ...」と思われるかもしれませんが、潔白を主張するにはこれが一番賢明な方法です