よいイベントとは?
よいイベントとはなにか
1. よいイベント、よい場とは、なにか?
あとで話します
2. ストピやライブなど音楽にはなにができるか?
多世代交流
3. 宮前パークピアノのよい点、至らない点はなにか?
よい点:美しい芝生や隅田川をバックに演奏できる点
悪い点:MCがつけられない(シンタカまちピアノと比べて)
4. 宮前ソラのマルシェのよい点、至らない点はなにか?
よい点:スタッフの人柄がよい、仲が良い
悪い点:情報発信が遅い
武藤が参考(理想)とするマルシェに、隅田川ソーシャルマルシェがあります。こちらのHPも貼っておきます。
https://www.sumidagawa.market/20240503-04
https://www.facebook.com/sumidagawaMarche/
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1. よいイベント、よい場とは、なにか?
table: 心豊かな暮らしと社会関係資本(ループ図)
(個人の参加)  (中心軸) (個人間での創発)
(目的) 心豊かな暮らし
↙    ↑ ↖
(成果) シビックプライド → 多様なイベント ← 地域イノベーション
↑↓    ↑↓    ↑
(繋り) コミュニティ感覚 ← 社会関係資本 → 異種結合≒新結合
↓    ↑↓    ↑
(基盤) 協力(コミット・提供) → サードプレイス・コモンズ ← 諸支援制度
よいイベント、よい場とは、なにか? まず、多様なイベントというものが、心豊かな暮らし(ウェルビーイング)の内実となって地域へのシビックプライドとコミュニティ感覚を高め、イベントやサードプレイスなどコミュニティへの参加と協力を促進し、そこで人が集まって社会関係資本が集積されて異種結合・新結合が起こって地域に革新的な仕組みができ(イノベーションが起こる)、さらなる多様なイベントが誘発する、という二重の循環が存在すると考える。
しかしこの構図は具体的に、よいイベントとは何か、については触れてはいないので、そこを考えていく。まずこの構図をもってきたのは、よいイベントというものが、好循環を生みだすものであるべきだからである。つまり「イベントがイベントを生む」ような再帰性ないしクリエイティブな性質をもつことが、よいイベントの条件なのである。これはイベントがイベントの苗床である、ということで、この好循環はイベントの拡大ないしクオリティの向上をもたらす。
つまり、ここでは、新たにクリエイティブな人をよびこむような仕掛けがイベントに求められている、ということだろう。そのためには、適切な質・量の人びとにきてもらう、ということである。よいイベント、すなわちイベントの成功とは、適切な人びとに来てもらえるということも重要であり、それには告知やお誘いなどご招待するということが重要になる。この意味で、イベントはつねに出会いと再会を促すパーティである。適度な賑わいと良質な来客は、イベント成功の第1の条件である。これは社会関係資本(Social Capital)に関わるといえる。(来客の質という点では人的資本条件でもある)
もちろん、来客だけが条件のわけではない。良客が再度来場してくれるためには、もちろん客同士のコミュニケーションだけでなく、客とスタッフとのコミュニケーションやイベントの質が求められるのは当然である。よいスタッフを揃え、客とのよいコミュニケーションを誘発できるよう、可能であれば研修や準備をしておきたい。スタッフマニュアルの整備などは、この助けになる。これは人的資本に関わる、イベント成功の第2の条件である。
人以外でのイベントの質は、ハード面とソフト面がある。
ソフト面には上記の人的側面があるが、そもそものテーマ(ストーリー、コンセプトを含む)と個々の出展者の質(マルシェならキッチンカー、雑貨屋、アーティスト、ミュージシャン)などがある。美術品、陶芸、手芸、衣服、芝居、映画、文学、科学、学問、落語、手品、大道芸、スポーツ、ゲーム、遊び、動植物なども広い意味での《アート》に含めるとすれば、テーマは大きくわけて、アートと飲食があり、マルシェなどその両方が楽しめるイベントも多い。《飲食》はビアフェス、ワインフェス、ラーメンフェスなどいろいろありうる。テーマに他にはない新奇性があれば、賛否両論も含めて話題になる可能性もあるので、よいだろう。音楽イベントなどはミュージシャン次第というところがあるが、機材やPAスタッフなどハード面とソフト面の両方が変数になる。
ハード面、すなわちモノや場所は、変えることが難しいこともある。アクセスがよい、風光明媚とか他にないモノがあるなどハード面がよければ有利なのは自明だろう。この点、南池袋公園、代々木公園、上野公園などはよいし、アクセスにやや難があるが、舎人公園や宮前公園などもよい部類だろう。マルシェなどでの出展者に提供するブースの質や撮影機材、スピーカーなどPA機材などの道具類もハード面に含まれる。
以上をひとまず整理しておこう。イベント成功の条件ないし側面はつぎの6つがある。
①社会関係資本、②人的資本、③テーマ、④出展者、⑤場所、⑥道具
①②は社会的条件、③④はソフト条件、⑤⑥はハード条件といえよう。これら社会的側面、ソフト面、ハード面に留意したいが、特に、来場者が活躍できるような参加性や、五感に訴えるような体験性が来場者(客)の楽しみとなり満足度を高めるだろう。
ここで、来場者だけでなく、イベント運営者や出展者(出店者)といった運営サイドが、楽しめることもよいイベントの条件といえる。つまり、その場にいる全ての人びとが楽しめるということが、よいイベントの条件であることは疑いない。そこには全ての人にここが自分の居場所だと思えるようなコミュニティ感覚(居場所感)や役割がある、ということだろう。それには趣味の異なる多くの人びとを惹きつけるような、多様な仕掛けが必要になるだろう。
だがそれら多様な仕掛けがバラバラではテーマ性が失われるので、多様性と統一性が兼ね備わる必要がある。そしてその矛盾の弁証法的な止揚が、個性や固有性になる。マルシェなどでの多様な出展者は、このような個性を生むし、そのなかでブースが統一されていることは、統一的なイメージを生む。
この視点はいわばイベントの空間的な側面といえる一方、時間的な側面も存在する。これは冒頭に述べたイベントがイベントを生むという再帰性に関連するが、1つのイベントが他のイベントとの関連のもとに成立していくという地域の物語が成立することが、よいイベントの一条件だと考えられる。というのはもしそうでないなら、一つのイベントは他の地域の文脈から遊離してしまい、一過性ノものになってしまうからである。
イベントは人間が企画して運営しているのだから、人間同士のトラブルや争い、良い意味での競争、協力といった社会関係はつきものである。そういった諸々のゴタゴタを乗り越えて、多くの人びとがある意味で地域社会に位置づけられるようにして、地域の物語は進行する。