目的通りできてる?目的通りって何? ~ 品質マネジメント ~
時間とお金と労力をかけてせっかく作るんだから「いいもの」を作ってよろこんでもらいたいですよね。
では「いいもの」とはどういうものでしょう?あなたが思う「いいもの」と実際に使う人が思う「いいもの」は同じでしょうか?
さらに「あたりまえ品質」という言葉もあるように、表(おもて)には出にくいけど「最低限の品質」は誰しも心の中に持っていたりします。
「いいもの」とは何かを決めないでプロジェクトが進み、後で「そうじゃない」と言われても困りますよね。
そんな「『いいもの』とは何か」や「そのために何をすればいいか」を考えるのが品質マネジメントです。
作りながら考えるのではなく、事前に指標や考え方を定義し、どんなやり方をすればその品質を達成・保つことができるのかを考えてから作り始めます。
品質を保つための検討や、品質を確認する作業にも時間とコストがかかるので、タイムマネジメントやコストマネジメントの計画でも考慮しましょう。
品質マネジメントの視点は次の3つです。
今回のプロジェクトにおける「品質」とは何か
「品質」はどうすれば作りこめるか、確認できるか
「品質」が悪かったときにどうするか
◆品質マネジメントがうまくいかないと…?
作るときに気にしていた「品質」とユーザが求める「品質」がずれていて無駄に時間/コスト/労力をかけてしまった…
とりあえず完成はしたけど一番よく使う部分がうまく動かなくて誰も使ってくれない…
開発中に「品質」をどう確認していけばいいかわからず、時間と体力だけが失われていく…
◆プロセス群ごとの品質マネジメントの動き
計画プロセス群
品質マネジメント計画
「品質」とは何かを定義します。
今回のプロジェクトとして完成させるものだけでなく、今後の拡張性や作ったものを運用するときのことまで考えられるとすばらしいです。
ITシステムであればセキュリティも機能・品質のひとつです。
「品質」を確保するためにどうするか(その行動はいつやるか)を考えます。
言葉の定義があいまいだと後で争いになることがあるので、前提知識のない第3者にもわかる客観的な表現にしましょう。
瑕疵担保責任の基準にもなることがあります。
実行プロセス群
品質保証
すべてのプロセスに対して「品質を高めるための行動」を考えます。
時間とお金が無限にあればしらみつぶしにやっていくことも可能ですが、現実的ではないので費用対効果を考えながら「何をやるか」を考えます。
「これ以上時間をかけてもあまり効果がない」というポイントを見極めるのが重要です。
「品質を高めるための行動」に効果があったのかどうかも測定するために、定量的/定性的な指標を設定しましょう。
監視・コントロールプロセス群
品質コントロール
「品質保証」の中で定義した品質や測定指標を監視し、「計画通りにうまくいっているのか」を確認します。
もし、うまくいっていないのであれば、見直しや追加の品質確認、品質向上の行動をとる必要があります。
タイムマネジメントやコストマネジメントと合わせてどうするのかを決断しなければなりません(難しいです)。
不具合の原因分析や横展開も行います。例えば原因が「要望の勘違い」だった場合には「他に同じ勘違いをしている人/部分はないか?」を確認したりします。
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#品質マネジメント