どこまでやる? ~ スコープマネジメント ~
プロジェクトの目的のために必要なことややりたいことは、突き詰めだすといろいろ思いつくものですが、それを全部やろうと思うと時間やお金がどれだけあっても足りません。
例えばシステム開発のプロジェクトであれば、画面や機能、必須なものはもちろん、「あったら便利だな」とか「いつか使うかも」とか。
「あれもこれも」ではなく、「どこまでやるのか」の線引きをする必要があります。
そんな「今回のプロジェクトではどこまでやるか」を スコープ と呼び、やりたいことリストの中から優先順位を決めてスコープを定義するのが スコープマネジメント です。
また、スコープは、プロジェクトの最初の方で定義しますが、「設計を進めてみて初めてわかる」、「プロジェクトを取り巻く環境が変わって新たにやりたいことが出てくる」、「優先順位が変わったりする」なんてことがあります。
スコープは、一度決めたら終わりではなく、適宜見直しながら進めていかなければならないのです。
スコープマネジメントでは、まずスコープを可視化して管理することで、プロジェクト全体で共通認識を持ちます。
スコープマネジメントの視点は次の3つです。
「何を作るか」「どう作るか」「どこまでやるか」のスコープを定義する
決めたスコープと実態を比較する
スコープの変更に対応する
◆スコープマネジメントがうまくいかないと…?
やりたいことが多すぎて期限(納期)に間に合わない/コスト(予算)が超過する
Aさんが認識してるスコープとBさんが認識してるスコープがずれていて、言ってることが噛み合わない
◆プロセス群ごとのスコープマネジメントの動き
計画プロセス群
スコープ計画
スコープをどうやって決めるか、変更するときはどうするかなどのプロセスを考えます。
スコープ定義
プロジェクトを計画する段階でのスコープを定義します。
「何を作るか」のスコープだけでなく、それに伴う作業「作るために何をするか」のスコープもあります。
何をやるのか(また、誰がやるのか)を可視化するためにWBS(Work Breakdown Structure)を作成します。
監視・コントロールプロセス群
スコープマネジメント
実際に行っている作業とスコープに不整合が生じていないか確認します。
スコープ変更マネジメント
スコープを変更する必要が出てきたら、「変更を適用するのか」、「変更はいつ適用するのか」、「変更は適用し終わっているのか」を管理します。