日本が世界に誇れる“KAIZO”

皆さまは第一回PDA博物館の展示をもうご覧になりましたか？数々の懐かしいPDAに混じって、何やら怪しげなPDAとそのアクセサリ類が並んでいたと思います。これらが“KAIZO”呼ばれる、日本発のPDAの楽しみ方のひとつなのです。

きっかけはPalm Vのメモリ増設でした。Palm Vの接着された筐体パネルをアイロンで暖めてバラし、2MBのDRAMチップを剥がして、8MBのチップに付け替える。ここまでなら、よくあるハードウェアの改造です。

でもその後、Palmユーザーのモーリーが始めたPalm de COOL! (1999年４月～2001年8月）で公開していった作品は、ストラップホールの無いPalmにストラップを付けてみたり、スタイラスを作ってみたり、ついにはPalm一体型GPSやナイトライダー。もう改造の域を超えていました。

Palm de COOL!

このサイトは意外に海外でも評判になり、刺激を受けた香港では、光るPalmが続々と登場してネット上を賑わせていました。どうやら、日本語が読めなくても、写真や動画で分かりやすかったようです。また改造作品の投稿も世界中から集まり、われわれは嬉しい悲鳴を上げていました。

そしていつしかわれわれがサイトで使用していた“KAIZO”は、単なる改造、ハードウェアハックというより、Palmを楽しく、面白くカスタマイズすることの意味で使われるようになりました。

１０年の時がたち、高機能化した携帯電話やスマートフォンの中身を改造する必要はありません。その代わりに、オリジナルのストラップを付けたり、デコケータイにしたりと“KAIZO”は確実に世の中に定着していると感じています。もちろんこれらはPalm de COOL! を見て始めたのでなく、日本にはもともと自分が使用するものに愛着を持ち、楽しく、面白くカスタマイズするという文化があり、それが手先の器用な日本人の手によって一般化していったのだと思います。

この世界に誇れる “KAIZO”文化・技術は日本を元気にするかもしれません。皆さまも今使用している携帯機器を“KAIZO”して、世界に向け発信してみてください！

https://gyazo.com/c23d347125f25a2aee355cab8109644b