PDA時代のホームページにはリアルなユーザー像があった
PDAの話をしよう、で、そろそろPalmの話題に入りたいところですが、ちょっと余談を。
PDAを使い始めた1990年代、パソコン通信からホームページに移行しました。それまでは、パソコン通信のフォーラムに、PDA情報や質問を書き込んで、情報共有を楽しんでいましたが、蓄積した情報を出す場所としてホームページを使い始めました。
当時のホームページは、サーバーを借りて、自分でHTMLを書いてFTPアップするしか方法がなく、今のブログより手間がかかりましたが、電車の中で小さなPDAでHTMLを書いて、公衆電話で更新する、なんて作業は全く苦ではありませんでした。
ホームページを作る以上に楽しかったのが、他の方のホームページを見ること。そこは情報の宝庫でした。PDA自体がニッチな存在で周りにユーザーがいない中、ホームページの情報は貴重でした。わからないことがあればメールしたり、オフラインでお会いして情報交換をしました。
ホームページには、PDAユーザーのリアルな姿があったのです。
何でこんな記事を書き始めたかというと、最近のキュレーション記事やアフェリエイトブログに感じたことがあったからです。モバイル系の情報において、そこには、ユーザー像がないものや、ユーザーとして使った上での一次情報を発信する、という姿勢がないものが散見されます。
時代がそういう風潮だから仕方がないのかもしれませんが、稚拙ながらもHTMLで書いて、情報発信や情報交換をしていたPDA時代の方が、充実していたような気がします。
記事のアクセス数やアフェリエイトの売り上げを語る方が幅を利かせるような現状は、どうなのでしょうか。ピンポイントでも、たった一人にでもいい、役立つ情報が発信できることが、古くからPDAを使い、ホームページを作ってきた私の願いです。