【研究】都市観光地における駅の多角的機能特性類型化とその応用 -京都市を事例として
🎓 【先輩の卒論紹介】
#在学 #学部 & #旅行
①研究の背景と課題:なぜ「駅の個性」を解き明かすのか?
📈 京都観光の光と影
京都は世界的な観光地ですが、観光客の増加は特定のエリアや交通機関の混雑(オーバーツーリズム)を引き起こしています。観光客の9割以上が鉄道やバスを利用して移動しており、「駅」はもはや単なる通過点ではなく、宿泊、商業、体験の機能が凝縮された「都市のハブ」となっています。
💡 研究の「問い」と「ゴール」
しかし、今までの観光情報では、この「駅が持つ多角的な機能(個性)」が客観的に評価されていませんでした。
私たちの問い: 京都市内全124駅の真の「個性」や「魅力」は何なのか?
研究のゴール: 膨大なデータを分析し、各駅の「旅館が強い」「異国料理が豊富」といった独自の個性をデータで可視化すること。そして、その個性を活用して、観光客を分散させるための新しい観光支援の基盤を構築します。
②手法
「食べる・泊まる・見る・体験する」という要素に注目して研究を進めています!]
✨ 「観光資源のデータ収集」
Webスクレイピングにより、飲食店約8,800件、宿泊施設約2,300件、観光スポット約1,100件など、合計約12,300件の膨大なデータを収集しました。
〇宿泊施設→ホテル、旅館、ゲストハウスなど5つのカテゴリー
〇飲食店→和食、カフェなど10つの主要カテゴリー
〇観光スポット→歴史・文化施設、自然・公園など5つのカテゴリー
このデータによって「京都駅は『総合ホテル』と『洋食』が強い」といった、データに基づく明確な「機能プロフィール」が完成します!
🔨 「MRRスコア」
このスコアは、距離そのものではなく、「近い上位30個の観光資源の順位」に重みをつけて計算します。これにより、ノイズを減らし、安定した順位に基づいて駅周辺の「機能的な充実度」を客観的に評価できるようになりました。
③ツール作成:「駅のプロフィール」と「類似駅の提示」
✨「駅のプロフィール」
選択した駅がどのような特徴があるかを3つの観光資源に分けてどのカテゴリーがより駅の周りに密集しているかを提示しています。
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✨「類似駅の提示」
選択した駅と似ている駅を提示しています。青いアイコンが類似駅です。類似駅を提示することで、観光客を主要エリアから周辺エリアへ誘導するようなアプローチが考えられます。
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